【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

共同出資会社「日医工サノフィ」 高品質・低薬価で勝負

公開日時 2010/06/01 04:01

日本のジェネリック(=GE、後発品)市場参入のために共同出資会社「日医工サノフィ・アベンティス」を6月に設立することで合意した日医工とサノフィ・アベンティスの両社は5月31日、東京都内で記者会見を開き、事業の基本方針を説明した。GEほか長期収載品を含め、サノフィの国際的な調達網による安価な原体導入によってコスト競争力を強化し低薬価を実現しつつ、日本で要求の強い品質の高い製品を供給することで、激化が予想される競争を勝ち抜く姿勢を強調した。サノフィの長期収載品、共同開発するGE(オーソライズドGEも検討)を大手卸に強みを持つ日医工の流通網で販売する形で展開する。日医工のGEは現行どおりの販売ルートとなる。

日本のGE市場には、ファイザーやテバ、第一三共など内外大手が、今後の市場の成長を見込み、相次いで参入する事態となっている。それを背景に日本のGE市場参入を果たしたいサノフィと、日本市場での強い存在感と国際展開の足がかりを得たい日医工との思いが一致したのが今回の提携。サノフィの国際的な原体調達網とブランド力、日医工の品質へのこだわりと流通網を武器に、競争を優位に進めたい考えだ。

製品ラインアップは、ファイザーや第一三共と同様、長期収載品を含めて展開する方針で、会見に同席したサノフィ・アベンティスグループのアジア・パシフィック担当シニア・バイスプレジデントのオリビエ・シャーメイユ氏は、「純粋なGEプレイヤーとなるのではなく、品質の高い、よい価格の製品の提供を狙う」と強調した。実際、新会社にとって、サノフィの長期収載品で睡眠障害改善剤アモバンが最初に扱う製品となる。日医工の田村友一社長によると、他に扱う品目は検討中で、現在のサノフィ主力品の「オーソライズドGE」化も検討課題と述べるにとどめた。バイオ後続品(バイオシミラー)については「両社で5年の間に一定の成果を求めていくことで意見の一致をみている」(田村社長)といい、抗体医薬を他社に先行して投入したい意向だ。

コスト競争力の強化は、同様の国際的な原体調達網を持つ外資メーカーへの対抗だけでなく、政府は長期収載品の価格抑制を強める方向にあることも見込んだ対応策。日医工の田村社長は、事業計画の詳細は検討中だとしたが、先発品薬価に対するGEの薬価を現行の7割以下となることを「一部想定している」とし、「患者さんがコストメリットを感じるには今のままでは不十分。(GE薬価は先発品の)50%以下にすることが出発点」との持論を改めて述べ、コスト低減の必要性を強調した。

新社は、東京都新宿区のサノフィが入るビル内の構える。資本金は1億円、サノフィ・アベンティス日本法人が51%、日医工が49%出資。社長はサノフィ日本法人社長のパトリック・ショカ氏が務め、取締役は8人で両社から4人ずつで揃える。会見で、ショカ社長は「(新会社は)日本のGEマーケット参入への第一歩になる」と話した。田村社長は、「相互のリソースを活用し、新たなGE市場を創造したい」と抱負を語った。
(写真は、左からサノフィ・アジアパシフィック担当のシャーメイユ氏、日医工の田村氏、サノフィ日本法人のショカ氏)

プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(1)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー