消費者団体 サノフィパスツールとメルクのワクチン値引き問題に懸念
公開日時 2010/07/22 04:00
米消費者団体Citizens for Responsibility and Ethics in Washington (CREW) は、サノフィパスツールおよびメルクが、特定の医師グループに値引きを条件に同社のワクチンおよびを買わせようとしたとして、連邦取引委員会(FTC)に2社を連邦取引法(FTCA)違反の嫌疑で捜査するよう求める文書を送付した。
CREWは、「2社の排他的契約は、過度な競争制限と思われる販売活動でFTCAに違反する」と指摘している。
サノフィパスツールは、これに対して、「我々は種々の購入グループと契約し、製品価値を提供しているが、顧客は我々の製品以外も選択できる」と嫌疑を否定している。メルクも、契約は法律に則ったものとの立場を示し、「そのような指摘は強く否定する」としている。
しかし、Cumberland小児財団が交わしたメーカーとの契約によると、グラクソ・スミスクラインやノバルティスによる割引率はサノフィパスツール、メルクよりも小さかったとしている。しかも、サノフィパスツールとメルクは、両社の製品を使用する報償として事前に割引額を提供するものだったとしている。
CREWは、同文書のコピーを連邦議会下院エネルギー商業委員会のヘンリー・ワックスマン委員長(民主党、カリフォルニア州)にも送付しており、今後の成り行きが注目される。