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厚労省・会議 20の未承認薬など開発必要 塩野義、ファイザー3件ずつ

公開日時 2010/08/05 04:01

海外の医療現場では広く使われているのに日本では使えない未承認薬・未承認適応薬(適応外薬)を減らすための厚生労働省の有識者会議は8月3日、5つの未承認薬と15の適応外薬について、医療上必要であり、メーカーによる開発を急ぐ必要があると判断した。がん領域が8成分と最も多く、白血病や多発性骨髄腫、小児悪性リンパ腫などの治療薬が挙がっている。(写真=多数の傍聴の中行われた有識者会議)

同省は、まだ医療上の必要性について検討中である102件についても会議の判断を待ち、年内中にメーカーに開発要請をしたい考え。今回の判断により、要請されるとみられる件数が多いメーカーは、塩野義製薬とファイザーで、ほとんどの社が今回1件だったのに対し、これら両社は3件ずつ。5月に行われた開発要請ではファイザーは7件(7成分)、塩野義は6件(3成分)を受けており、他社より多い両社に、さらに追加される見通しとなった。

開発要請を受けたメーカーは、一定期間内に承認申請や治験届けを提出しなければ、4月に試行導入された薬価への加算(新薬創出加算)が取り上げられたりする仕組みになっている。その加算要件が満たされているかについても、同日の会議では、5月の要請後にメーカーから提出を受けた開発工程表に沿って評価し、評価可能なものは全て妥当と判断した。

5成分7適応の「公知申請」認める 早期の承認へ

また会議は、5月に開発要請された適応外薬のうち5成分について、承認されていない疾患への使用は国内外での十分な使用実績があるとして、その疾患の適応に追加するための国内治験を省略して承認申請できる「公知申請」を認めるとの意見もまとめた。この中には、この問題の象徴である抗がん剤ジェムザールの卵巣がんの適応追加も入った。開発する5社はいずれも開発工程表で9月~11月までに申請予定としており、早ければ来春には承認される。

公知申請が妥当とされた薬剤は次のとおり。
▽エンドキサン(一般名:シクロホスファミド、会社名:塩野義製薬)追加予定適応:「全身性血管炎(顕微鏡的多発血管炎、ヴェゲナ肉芽腫)の自覚的並びに他覚的症状の寛解導入」「全身性血管炎の自覚的並びに他覚的症状の寛解導入」「全身性エリテマトーデスの自覚的並びに他覚的症状の寛解導入」
▽ハイカムチン(ノギテカン、日本化薬):「ハイカムチン注射用1.1mg初回化学療法が無効の再発卵巣がん」
▽ゼローダ(カペシタビン、中外製薬):「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」
▽ジェムザール(ゲムシタビン塩酸塩、日本イーライリリー):「卵巣がん」
▽ワーファリン(ワルファリンカリウム、エーザイ):「血栓塞栓症の小児適応」


 

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