田辺三菱製薬は１月11日、第一三共が国内販売している慢性腎不全用剤「クレメジン」について、契約満了に伴い４月１日付で田辺三菱に販売移管されると発表した。田辺三菱は「国内におけるクレメジンの情報提供活動を適切に行うとともに、品質の確保と安定供給に万全を尽くす」とコメントしている。

クレメジンはクレハが創製した高純度多孔性球状活性炭からなる経口吸着炭。2006年11月に田辺三菱がクレハから米欧の独占開発・販売権を取得した（開発コード「MP-146」、現在米欧ともフェーズ３）。一方で、日本国内の販売権は当時、第一三共が持っていたが、田辺三菱による同剤の世界展開に向けて国内の同剤の知見も集積する方が得策として、09年11月１日付で田辺三菱がクレハから国内販売権も取得した。ただ、第一三共が当時、主力品のひとつとしてクレメジンを販売していたことから、田辺三菱と第一三共との間で国内販売権の再許諾契約を締結、その満了日が11年３月末としていた。

なお、現在はクレハが製造したクレメジンを田辺三菱が仕入れて第一三共に供給し、第一三共が販売・プロモーション活動している。