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急性心不全 ループ利尿薬の有効性は投与法、用量で有意差みられず

公開日時 2011/03/22 03:00

急性非代償性心不全に対し、ループ利尿薬治療を投与する際の投与方法や用量の違いは、症状の包括的評価や腎機能において有意差がないことが分かった。投与方法を12時間ごとの静脈内ボーラス投与か継続注入か、また低用量と高用量とを比較検討した「DOSE」試験の結果から分かった。米デューク大、G. Michael Felker氏らの研究グループが、学術誌「New England Journal of Medicine」誌の3月3日号に報告した。


静脈内ループ利尿薬治療は、急性非代償性心不全の中核をなす治療法であるが、現行ガイドラインは専門家の意見を基に作成されており、専門医の判断により、投与方法や用量が異なるのが現状だ。


DOSE試験では2 x 2factoralデザインを用い、用量と投与法の有効性を同時に検討した。用量については、低用量(1日に摂取する経口投与量と同等量の静注フロセミド)か高用量(1日に摂取する経口投与量の2.5倍の量に相当する静注フロセミド)の2群に分けた。一方、投与法は、12時間ごとの静脈内ボーラス投与か継続投与かに分け、それぞれ急性非代償性心不全患者308人を1:1:1:1で割り付けた。


主要評価項目は、投与開始72時間後の患者による健康評価をもとに濃度曲線下面積(AUC)で定量化した包括的な症状の評価(有効性項目)と、投与開始72時間後までの血清クレアチニン値の変化(安全性項目)とした。


被験者は平均年齢66歳、27%が女性で、25%が黒人であった。過去12カ月以内に心不全による入院歴のある被験者は74%、血清クレアチニン平均値1.5mg/dL、平均駆出率(EF)35%、50%以上の駆出率のある被験者は27%など、高リスク患者が多く含まれていた。


ボーラス投与と継続投与との比較では、有効性項目と安全性項目のどちらにも統計的有意差は示されなかった。有効性項目の症状の包括的評価は、平均AUCがボーラス投与群で4236±1440、継続投与群で4373±1404(P値=0.47)、安全性項目の血清クレアチニン値の変化は、それぞれ0.05±0.3mg/dlと0.07±0.3 mg/dl(P値=0.45)であった。


低用量と高用量との比較でも、どちらの評価項目においても有意差はなかったが、高用量群では有効性評価項目において、低用量群より向上する傾向が見られた(平均AUC:高用量群4430±1401 vs. 低用量群4171±1436、P値=0.06)。安全性項目は、それぞれ0.08±0.3mg/dlと 0.04±0.3 mg/dl(p=0.21)であった。
高用量群では、体液量の減少や体重減、呼吸困難の軽減といった好ましい効果が見られたが、一方で腎機能の悪化も見られ、相殺される形となった。


重篤な有害事象は、高用量群で有意に低かったが(38% vs. 50%, P値=0.03)、ボーラス投与群と継続投与群との間には有意差はなかった(両群とも44%、P値=0.92)。
 

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