【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

アステラス製薬 がん領域で個別化治療薬の開発を推進

公開日時 2011/05/26 04:01

アステラスファーマ グローバル ディベロップメントのスティーブン・ライダー社長は、アステラス製薬が5月25日に開いたR&Dミーティングで、バイオマーカーを用いた個別化治療薬の開発を推進し、リーディングポジションを目指すことを強調した。主力の移植、泌尿器領域に次ぎ、第3の重点領域と位置づけるがん領域では、開発中の抗体医薬のほかに、急性骨髄性白血病(AML)や非小細胞肺がんの領域で実現に向けた開発を進める方向であることを明らかにした。
 
同社ではバイオマーカー等の活用により、特定の患者セグメントに対し、高い効果を示す治療薬を「Precision Medicine」と呼び、特にがん領域(開発品目は15)で積極的に開発が進められている。
 

そのひとつが「AC220」。同剤は強力かつ選択性の高いFLT3チロシンキナーゼ阻害薬。急性骨髄性白血病(AML)患者では25~30%にFLT遺伝子変異が認められ、これらの患者は予後が悪いとされるが、AC220はこれらの患者に対し、診断法とセットで提供することで個別化治療薬になりえ得ると期待されている。
 

同剤はAMLの適応取得を目指し、米欧でフェーズ2の段階にあり、今年後半に試験が終了する計画。P2試験の中間解析結果は今年6月の欧州血液学会(EAH)で発表される予定。P1b試験の結果によると、FLT3-ITD(遺伝子内縦列重複変異)陽性患者に対する効果は、完全寛解[血小板の回復不完全、血液の回復不完全を含む]が28%、部分寛解が28%だったのに対し、FLT3-ITD(遺伝子内縦列重複変異)陰性患者ではそれぞれ7%、13%と、FTL-3 ITD陽性患者で高い有効性を示した。
 
また、タルセバ(一般名:エルロチニブ)もPrecision Medicineの候補と位置づける薬剤。同剤はEGFR変異を伴う進行性非小細胞肺がんのファーストラインでの適応拡大を目指しており、特定の進行性非小細胞肺がんで良好な結果が早期に判明したという。米国で現在申請準備中。薬剤の開発を先行して実施し、診断法の開発は今後実施を検討しているという。
 

EGFR変異は欧米では肺がん患者の10%、アジアでは30%に認められ、ライダー氏は「Precision Medicineの模範になる」と期待を寄せている。同剤は高いポテンシャルを有し、非小細胞肺がんのみならず、卵巣がん(維持療法のファーストライン)、肝細胞がん(ファーストライン)など14年までに多くの疾患での試験結果が判明する予定。

 

プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー

この記事の関連キーワード

【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(5)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー