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後発品処方に疑問や不安ある 医師の85%に 情報不足の指摘多く

公開日時 2011/06/22 04:01

医師限定コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアは6月21日、後発医薬品の処方に関する調査結果を発表した。医師に対して後発品の処方に疑問や不安があるかないかを聞いたところ、「ある」が85%を占め、「ない」は15%にとどまった。疑問や不安の理由を聞いたところ、半数以上が「品質」や「効果」に疑問があると回答。先発品と後発品で添加剤が違うにもかかわらず、後発品を扱う企業からの情報量が圧倒的に少ないため、品質などに不安を感じるとの声が多く寄せられた。MedPeer会員医師は約3万6000人。

調査は5月20日~26日に実施した。有効回答数は2568件。調査は会員医師が別の会員医師に日常の素朴な疑問を聞く形で実施するもの。今回の質問は、「政府が後発品使用促進を掲げている。医療費抑制は喫緊の課題だが、現場で働く先生方の多くは、だからといって、後発品の処方に積極的になれない部分があるのではないか」として、積極的になれない理由を▽品質に疑問▽効果に疑問▽副作用の不安▽安定供給の不安▽メーカーの情報提供体制の不安▽国・厚労省の普及政策に疑問▽特に不安・疑問はない――の7択(複数回答可)で聞いた。

その結果、品質に疑問は66%(1448件)、効果に疑問は50%(1083件)、情報提供体制に不安は46%(1009件)、副作用に不安は34%(746件)、普及政策に疑問は26%(564件)、安定供給に不安は24%(524件)――だった。

自由コメントを見ると、後発品に不安や疑問は「ない」との回答医師からは、「品質に疑問はあるが、今のところ処方をためらうほどではない」(30代、一般内科)や「不安は思い込みの面が多いのではないか。今のところ全く問題ない」(50代、消化器外科等)、「基本的な化学構造が同じなら薬理作用でそれほど違いがあるとは思えず」(70代、老年内科)――などの声が寄せられた。

一方、後発品に不安ありとの回答医師からは、「主成分にも不安があるが、賦形剤その他が副作用を起こすこともある」(50代、一般内科)や「情報量が少なすぎる。供給力や添加剤などの情報が全くわからない」(40代、麻酔科)、「効果は経験上、かなり違う。MRがいるのかいないのかわからないが、情報は皆無」(40代、一般内科)、「使用している基材等が違う以上、後発メーカーも副作用などの情報についてはある程度の開示や解析が必要」(30代、老年内科等)、「後発品は『顔』となるべきMRが見えない。信用できない」(50代、小児科)、「テレビCMで一生懸命宣伝しているが、医療者にはほとんど情報提供はない」(30代、小児科)――などが散見された。

また、後発品で健康被害が発生した場合の責任の所在に関するコメントも多く見られ、「使用しているが、(先発品と)全く同じものではない。情報もなく、国が推進しているにもかかわらず、何かあった場合、国が責任をもつとは思えない」(40代、消化器外科)や「後発品で生じた障害の責任をだれが取るのか明確になっていない。ここが最大の問題だと思う」(30代、一般内科)といった内容が寄せられた。

そのほか、「在庫切れが多く、製造中止となる薬も多い印象」(50代、一般内科)や「現実に品切れ、販売中止は日常茶飯事」(50代、一般内科)など安定供給の面から信用できないとのコメントも複数あった。
 

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