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Telaprevir ラベルのメリットで高い価格のデメリットを補う

公開日時 2011/06/24 04:00

米国では、バーテックス・ファーマシューティカルズのIncivek(telaprevir)とメルクのVictrelis(boceprevir)のC型肝炎治療プロテアーゼ阻害剤2剤が真っ向対立する図式となったが、telaprevir はラベルにおいて、RGT(反応誘導療法)レジメンで未治療患者および迅速に早期ウイルス学的反応(RVR)に達した患者を適応とし、約60%の投与患者を獲得することになり、boceprevir よりも価格が高いにも関わらず、有利に立ちそうな気配だ。


RGTは、12週間の標準治療(ペグインターフェロンおよびリバビリン)に引き続きtelaprevirと標準治療の併用を12週間行う。このレジメンに不適格な患者は、標準治療のみをさらに36週受けたあと同剤と標準治療の併用を12週受ける。


5月13日に承認を受けたboceprevirもRGTの対象になっているが、治療期間が長い。迅速にRVRを示すことによってRGTが適格な患者はboceprevirを24週間投与、一方、他の患者では36週間から44週間投与となる。
大手製薬メルクと初の製品を市場に持ち込むベンチャー企業との直接対決となったが、その戦いを複雑にするのが、ロシュがboceprevirをメルクと共同販促することが5月17日に発表されたことだ。ロシュは、メルクと同じようにペグインターフェロンとリバビリンを販売している。


バーテックスは米国でパートナーがいないが、telaprevirがウイルス反応を維持することや服用期間が短くて済むことなどの利点を持つとしてメルクに打ち勝つことに自信を持っているようだ。バーテックスは、boceprevirが週1100ドルに比べて、telaprevir は12週の治療で49200ドルとかなり高いが楽観的に見ている。Telaprevirの患者は全て、12週の治療で終了するが、boceprevirの患者は患者のタイプやウイルス反応次第で24週から44週の治療となる。


投資会社Leerink Swannのアナリスト、Howard Liang氏は、telaprevirはboceprevirの2倍ほど処方されると見込んでいる。同氏は、telaprevirの米国売上が今年は7億200万ドル、2012年には22億ドルへと伸長、ブロックバスターの地位を確保するという。2012年には、この売上に欧州でのパートナー、ジョンソン・エンド・ジョンソからのロイヤルティ1億7600万ドルが入ると見ている。


(The Pink Sheet  5月30日号より)  FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから


 

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