処方薬に対する患者の不満傾向 生活習慣病薬で自己負担額への不満割合高く
公開日時 2011/08/10 04:02
本誌編集部は、70万人もの患者本人に直接尋ねた医療専門市場調査会社アンテリオ(東京都千代田区)の調査に基づき、関心が高いと思われる7疾患の処方薬に対する不満傾向をみてみた。自己負担額に対する不満では、生活習慣病薬(糖尿病、高血圧、高脂血症)が平均を大きく上回る結果となった。
この調査は「ANTERIO Patient Mindscape」(APM)と呼ばれるもので、10年8月~9月に行われたもの。患者自身に製品レベルで使用感などを直接尋ねているのが特徴。この中で薬剤に対し何らかの不満があるとの回答は3割弱。その「不満がある」と回答した人をベースに、神経痛、骨粗鬆症、うつ病、関節リウマチ、脂質異常症、高血圧、糖尿病の7疾患について、不満の傾向をみてみた。
不満度が比較的高いのは「効果」(不満との回答割合平均39.5%)、「薬価(自己負担額)」(同33.9%)、「副作用」(同17.7%)――の3項目。その中で「薬価(自己負担額)」に対する不満では、生活習慣病薬(糖尿病、高血圧、高脂血症)が平均を大きく上回る結果となっていた。いずれも5割超に上っている。
糖尿病では、調査時点では既に新薬のDPP‐4阻害薬が発売されているが、ここではインスリンが影響している。高血圧では新薬のARBが影響している。この領域では、長期にわたり服用しつづけることで負担を重く感じがちであること、そして糖尿病、高血圧では併用が多いことも後押ししているとみられる。また高齢者が多く、他の疾患でも薬を処方され、その分も自己負担への不満として挙がってきている可能性がある。薬価(自己負担額)への不満をどう解消するかは、メーカーだけの努力ではいかんともしがたいが、高齢者患者の治療における経済性をどう考えるかは課題として示しているといえる。
この詳細はMONTHLYミクス8月号に掲載した。
また、ミクスOnlineプレミアコンテンツ(有料)には、不満項目別に、不満割合が高かった5つの疾患(高い順)を掲載している(MONTHLYミクスでは見られないデータです)。
http://mixonline.jp/Express/NewsCategory/tabid/68/artctid/129/Default.aspx