ソーシャルメディアで臨床試験リクルート
公開日時 2011/09/15 04:00
希少疾患患者は患者の疾患の勉強やグループの形成や参加、グループの支援などで活発なインターネットユーザーだが、ある大胆なグループはこれをもう一歩進め、研究者を探し、自分の疾患を臨床研究に取り上げてもらう試みに出ている。この方法は今後の臨床試験患者リクルートの新たな方法として注目されている。
メイヨークリニックの心臓学者Sharonne Hayse医師は、「ソーシャルネットワーキングのWomenHeartというサイトの女性グループがかなり高度な研究テーマを策定、研究者を探していた」ことを明らかにした。問題はこれら女性たちが提供したカルテが研究をサポートするのに十分なものかどうかだったが、それは完璧なもので、米国以外からの参加予定者も4人いるなどグローバルなものだった。同医師は、「患者主導研究だ」と呼んでいる。
この研究では、実際のリクルートは必要なく、参加者を募るにはグループの自然なコミュニケーションを活用すれば良い。この患者主導は200人の男女の登録を目標としている。同研究には、自然発生的冠動脈乖離のためのDNAマーカーを見つけるためのバイオバンク構築のサブ研究も含まれている。Hayse医師は、同試験の結果はソーシャルメディアを通しての試験リクルートが出来ること、オンラインネットワークが大規模かつ地理的に分散した患者グループを効率的、経済的に集めることが出来ることを意味すると指摘している。
希少疾患は6000種から7800種程度と推測されているが、全米希少疾患組織(NORD)は、十分なデータが存在しないために正確な希少疾患の数は不明で患者数も分からず、治療法もないものが多いと話している。
そういう意味では、NORDは、インターネットやソーシャルメディアの登場は、世界中に分散している患者は互いの存在を確認、結び付ける機会を提供し、医師や研究者には疾患の知識・情報を提供するばかりでなく、臨床試験のリクルートを容易にすることが分かってきた。NORDは、フェイスブックやツイッターも患者リクルート活動に重要だと指摘している。
(The Pink Sheet Daily 9月6日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから