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FDA ラベル変更に新たな権限もち、難問抱える

公開日時 2011/10/19 04:00

米食品医薬品局(FDA)は、食品・医薬品・化粧品法(FDCA)の修正法で新規に505(o)条にラベル変更の際の手続きの強化が謳われ、FDAの権限が強化されたものの規制範囲が広範囲にわたることや関係部局が複数になるなどFDAにとって頭を悩ませる局面も出てきたようだ。


米誌「FDANews」が開催したセミナーで、FDA新薬部のSusan Honig審査官は、「今回の法改正で、安全性ラベル変更(SLC)の際には、新薬部(OND)と後発医薬品部(OGD)両部にまたがる問題となる」と指摘、その理由として、「FDAはラベ変更の必要があると判断した時には、同一クラス薬剤の申請者全員に同日に<安全性ラベル変更通知>を発出しなければならない。さらに同通知を消費者に重大なリスクのあることを周知するためにウェッブにも掲載しなければならない」とFDAの負担増について説明している。


しかもラベル変更の審査は、短期間にONDとOGDという異なった部署で数品目を行う必要がある。Honig審査官は、審査を的確に行うには現行30日の審査期間を延長する必要があると指摘する。SLC承認通知は同日に同一クラス薬剤の申請者全員に通知を発出しなければならない。


米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、今回の法律施行について、FDAに「SLCを確実なものにするように、申請者がFDAに新規の安全性情報を警告することによって、FDAが同条項を行使できるような仕組みを確立することを求めている。現在、企業はFDAに新規の安全性情報を伝達するが、それがラベル変更を必要とするものかどうかについては、FDAの見解が不明のままとなっているため、PhRMAはこの点の改善を要求している。


現行制度では、申請者はFDAからラベル変更の指示を受けると、30日以内に変更ラベルを提出するか、その必要がないと判断した場合その理由書を提出するが、今回の改正ではその期間がまだ決定していない。その期間はケースバイケースとし、一部延長も検討されている。しかし、FDAと申請者がラベル変更に合意すれば15日以内に承認する考えだ。FDAはラベル変更承認後10日で申請者のウェッブに変更後ラベルが掲載されることを望んでいる。


FDAは、2008年3月25日から2011年8月までに56件のラベル変更を申請者に求め、9件は申請者との合意がない「安全性ラベル変更命令」で、47件はラベル変更の内容にFDAと申請者が合意したものだった。
 合意のない9件になかには、アムジェンのエリスロポエチン製剤Epogen/Procrit(epoetin alfa)、Aranesp(darbopoetin)についての腫瘍リスク、イーライリリーの非定型抗精神病薬ジプレキサ(オランザピン)およびSymbyax(オランザピン+フルオキセチン)、ファイザーのGeodon(ziprasidone)についての白血球減少症、好中球減少症、顆粒球減少症のリスクなどに基づく変更がある。


 

(The Pink Sheet 10月3日号より)  FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから


 

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