アボット・ジャパンはこのほど、乾癬に関する患者5000人以上の意識調査結果を発表し、中等度～重度の乾癬患者の47％が乾癬に伴う身体的な問題よりも、病気に対する周囲の目を恐れていることがわかった。さらに、患者は治療やケアの改善に加え、症状の精神的影響への支援を求めていることも判明した。同社の免疫臨床開発担当バイスプレジデントのジョン・Ｒ・メディチ氏は「乾癬は単に皮膚の表面に現れる症状ではなく、精神衛生にも影響を及ぼす慢性の免疫系疾患であることに留意しなければならない」とコメントしている。

乾癬は細胞の成長サイクルが加速するために皮膚の厚みが増し、皮膚がガサガサになる病気。最もよく見られる形態の尋常性乾癬は、皮膚の赤く盛り上がった部分が白色の鱗屑に覆われ、多くの場合、かゆみと痛みを伴い、割れて出血することもある。治癒させる手段はなく、治療による症状コントロールがなされている。世界で１億2500万人が罹患していると推定されている。

調査は2010年にデンマーク、ドイツ、アイルランド、メキシコ、ポルトガル、スウェーデン、英国、アラブ首長国連邦の８か国から5000人以上の患者が参加して行われたもの。回答者の86％が35歳以上、54％が女性。中等度～重度の乾癬患者は60％。

その結果、乾癬患者は自己嫌悪感（62％）、親密な関係を持つことに対する不安（40％）、度々の自信喪失（50％）に日々悩まされ、中等度～重度の乾癬患者の約３分の１は他人の目を気にしながら人生における重要な決定をしてきたと回答した。また、同じく３分の１の患者が乾癬のために仕事の生産性が低下する日が多々あると回答していた。