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中医協薬価専門部会 新薬創出加算の試行継続を決定 長期収載品追加引下げは今後議論

公開日時 2011/12/05 04:01

中医協薬価専門部会が12月2日に開かれ、一定要件を満たす特許期間中の新薬の薬価を据え置く新薬創出加算の試行を、12年4月以降も継続することを決めた。未承認薬・適応外薬の解消に同加算が一定の役割を果たしていると判断した。今後、試行期間など詳細を詰めるが、この中で10年4月の試行開始時に実施された全ての長期収載品の追加引き下げ(当時は一律マイナス2.2%)を今回も実施するかどうかも議論する。

業界側が強く求めていた新薬創出加算を恒久的なルールとするかどうかについては、同加算の主目的のひとつである「新薬創出」に同加算がどれだけ寄与しているのかを試行から2年弱では分析・判断できないことなどから、時期尚早との結論に至った。

試行継続にあたっては年末までに、▽試行期間▽長期収載品の追加引き下げ▽加算品目の要件のひとつに平均乖離率を用いていることの妥当性▽同加算の効果分析方法(ドラッグ・ラグ解消や新薬創出にどのようなプラス影響を与えたかの分析方法)▽加算を受けた企業と未承認薬などの開発要請を受けた企業のミスマッチ――などを議論する。また、中医協後に開かれた厚労省による記者会見で、厚労省は加算品目に対する8掛けルール(=加算上限の仕組み)も今後の論点との見方を示した。

このうち長期収載品の追加引き下げについては、中医協の診療側及び支払い側ともに、財政面から、同加算と追加引き下げはセットで実施するものとの考え。これに対して業界側は、10年4月に2.2%の追加引き下げに応じた理由は同加算の試行開始に伴う費用の一部を賄うためであり、セットで実施することはルール化されていないとの立場だ。一方、厚労省は、同加算は必要財源の一部を後発品の使用促進で賄うことが前提になっているとした上で、今年9月時点の後発品の数量シェア22.8%について「後発品の使用が十分進んでいるとはいえない状況」「どう考えるか」と評価し、同加算の論点に据えている。今回も長期収載品の追加引き下げが必要と暗に示していると見ることもできる。

◎12年度薬価改定による薬剤費削減額 約5000億円を想定 改定率で▲6.0%

一方、厚労省はこの日の専門部会に12年4月薬価改定による財政影響の試算を示した。今年の薬価本調査による結果から、市場実勢価に基づく薬価引き下げで約5400億円の財源がねん出される(12月2日午前に速報)。

そして、まず新薬創出加算を現行ルール通り12年度も継続した場合、約700億円の財源が必要になる。小児・オーファン等加算でも約20億円が必要。一方で、▽10年度以降に初めて後発品の参入があった先発品の特例引き下げ(4~6%)▽新薬創出加算品目のうち後発品が参入した品目(例:アリセプトなど)の薬価引き下げ▽市場拡大再算定――で約610億円の財源がねん出される。厚労省はこれらを「新薬に係る薬価改定」と一括りにしており、新薬関係で差し引き約110億円(700億+20億-610億)の費用が必要と試算した。今後、この110億円の財源問題が議論の俎上にあがる可能性がある。

さらに、不採算品再算定などで約300億円の財源も必要になる。これらによって厚労省は現時点で、12年度の薬剤費全体の削減額を約5000億円(5400億-110億-300億)、改定率で▲6.0%と見積もった。

 

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