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ドナーきょうだい登録サイト

公開日時 2011/12/27 04:00

世界で初めての体外受精児の出生が報告されてから30年。ドナー精子を利用しての体外受精による出産はすでに日常的なプロトコルとなった。正確な統計はないが、アメリカでは年間3~6万人の体外受精児が誕生していると推計されている。だが、体外受精による出生児が増加するにつれ、専門家や体外受精児の両親の間にさまざまな懸念が広がっている。たとえば希少な遺伝病が拡大する怖れ、あるいは兄弟姉妹がそれと知らずに結婚する可能性への危惧などである。(医療ジャーナリスト 西村由美子)

アメリカ人女性が創設したウェブサイト ”Donor Sibling Registry(ドナーきょうだい登録サイト)” が注目を集めている。体外受精児、あるいはその両親は、このサイトに登録することによって、同じ精子から生まれたほかの子どもたち(50%きょうだいにあたる)を検索し、交流することができる。https://www.donorsiblingregistry.com/ 

サイトの創設者はウェンディ・クレイマー。サイト創設の動機は彼女自身が20年前に体外受精で産んだ息子を同じドナーの兄弟姉妹と交流させてやりたいと考えたことだという。だが、サイトがポピュラーになり、登録者が増えるにつれ、続々と明らかになった事実はウェンディはじめサイトユーザー達の想像や思惑をはるかに超えていたのである。なによりの驚きは、同じドナーの精子から生まれる子どもの数がきわめて多いことであった。

サイトに登録した子どもや両親が期待していたのは、せいぜい数人の兄弟姉妹と出会うことだった。だが、実態は、登録し、検索を始めた時点で、すでに数十人のstep siblings(異母兄弟姉妹)がいることもあり、しかもなお時々刻々その数が増え続けているケースも稀ではないのであった。中には、同じ一人の精子から150人の体外受精児が生まれているケースもあり、これには体外受精児と両親だけではなく、ドナー(精子提供者)も衝撃を受けており、中には「精子提供時には『せいぜい数人程度にしか使わない』と言われたのに、これでは約束違反」と憤っているドナーもいる。

なんらかの法的規制を実施すべきだとの声が高まっているが、現在のところ体外受精に関する法的規制はほとんど整っていない。

 

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