GSK Facebookに公式ページを開設 希少疾患で情報交換の場を提供
公開日時 2012/01/16 04:02
グラクソ・スミスクラインは、希少疾患に関する情報をFacebook上でやり取りする取組みを昨年末から始めた。Facebookのアカウント名は「GSKJ-RareDisease」。疾患関連でFacebookを活用する製薬メーカーは初めてとみられる。一般の人が閲覧・投稿できるFacebookの特性を考慮して、GSKはプロモーション活動とならないように注意しながら希少疾患に関する情報を提供する。患者や支援者、支援団体らからのコメント、活動内容、イベントの開催案内などの投稿を歓迎するとしている。
希少疾患は約7000にものぼり、患者数が数十人との疾患もある。希少疾患に対する社会的な認知も低い。GSKは希少疾患に関連するサポートや認知向上に取り組んでいるものの、従来型の疾患サイトで希少疾患ごとに情報発信するのは、疾患数の面からも事実上困難。このため、Facebook上で「希少疾患」とのテーマで患者・支援者らを中心に情報交換する場を設けることで、患者・支援者らの利益向上や、希少疾患の認知向上につながると判断した。
Facebookはインターネット上で実名で情報交換するもの。世界で8億人以上が利用し、1日当たりの利用者数は約5億人とされる。一般の人が閲覧・投稿できることが特徴だ。しかし、製薬メーカーには、疾患関連に活用すると、不適正な医学上の助言や未知の副作用の情報が急速に広がるのではないかとの懸念もあり、各社が実用化に向けた検討にとどまっている状況だった。
◎副作用関係の情報 別のアクセス先に
GSKは、一般の人が利用する情報ツールということで、医療用医薬品のプロモーションにつながる活動にならないように配慮する。このためにGSKからの情報発信(=投稿)は、希少疾患の担当者など数名に限定する措置をとっている。また、誹謗中傷や軽蔑的・差別的な投稿、誤解を与える投稿などGSKが不適当と判断する内容は削除する。
また、今回のFacebookの利用にあたっての説明書きには、メーカーには副作用関係の情報収集と報告義務があることを説明したうえで、副作用関係の情報のアクセス先を明記した。さらに、「当社は個々の患者さんに対して、病態や治療にコメントや医学的助言を与えることはできない」として、医療行為に関することは医師など医療関係者から助言を得てほしいということも明記している。
GSKは本誌に、「希少疾患に対する社会的な認知が少しでも上がればとの思いで始めたが、Facebookという新しいメディアにどのような反応が寄せられるか、手探りの状況」とコメントした。