協和発酵キリンは１月31日、11年12月期（１月～12月）通期決算を発表した。腎性貧血治療薬で主力のネスプの売上高が564億円と、７月に上方修正した計画値より56億円上回る結果となった。

同社医薬事業の業績では、腎性貧血治療薬ネスプ／エスポーの合計売上、花粉飛散量が多かったことで抗アレルギー薬のアレロック、パタノールの売上が２桁増収だったなどもあり、同事業の売上高は9.0％増の2293億円、営業利益は15.2％増となった。

通期予想は、ネスプ／エスポーが11.8％減の545億円とするなど薬価改定の影響はあるものの、がん性疼痛治療薬フェントス、二次性副甲状腺機能亢進治療薬レグパラの売上伸長のほか、買収した英のProStrakan社の業績寄与、富士フイルムとのバイオシミラー合弁会社からの技術料収入が見込まれることから、売上高は5.5％増の2420億円、営業利益は10.7％増の457億円を見込む。

【通期連結実績（前年比）12年度通期予想（前年度比）】
売上高　　3437億2200万円（16.9％減）　3260億円（5.2％減）
営業利益　466億1400万円（2.7％増）　480億円（3.0％増）
経常利益　467億5400万円（0.5％増）　425億円（9.1％減）
純利益　　256億0800万円（15.4％増）　200億円（21.9％減）
 
【通期主要製品売上（前年同期）12年度予想、億円〕
 ネスプ　564（417）505
 エスポー　53（108）40
 (２剤計　618（526）545
 レグパラ　 115（95）131
 アレロック　291（268）297
 セルテクト　25（27）17
 パタノール　114（75）113
 グラン／ノイアップ　148（144）133
 フェントス　31（８）49
 ファルモルビシン／アドリアシン　10（48）－
 ５－FU　31（31）27
 ナベルビン　17（20）14
 コニール　197（210）173
 コバシル　39（42）34
 イノバン／プレドパ　28（30）23
 デパケン　112（110）107
 ペルマックス　21（20）20
 ナウゼリン　48（53）49
 アサコール　28（７）41