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C型肝炎治療薬分野で買収相次ぐ

公開日時 2012/02/23 04:00

最近、欧米製薬業界でC型肝炎治療薬をめぐるライセンス、買収が活発化している。2011年6月 米VertexがAliosからC型肝炎(HCV) 治療薬候補物質の2つのヌクレオチドを6000万ドルで導入、10月、ロシュがHCV治療薬2剤を持ったAnadysを2億1200万ドルで買収、11月、ギリアードがフェーズIIIにヌクレオチドPSI-7977を持つPharmassetを110億ドルという高額で買収、今年1月9日、ブリストル-マイヤーズ スクイブ(BMS)がフェーズIIのヌクレオチドINX- 189を保有するInhibitexを25億ドルで買収―などC型肝炎治療薬を持つベンチャーの買収やライセンスが相次いだ。


世界では1億7500万人がHCVに感染していると報告され、大半が未診断で診断された患者の多くは治療を待っている状況といわれ、潜在市場規模は大きいといえる。


BMSのLamberto Andreotti CEOは、1月10日のJ・P・モルガン主催の会合で、全世界HCV感染患者の20%のみが肝炎の診断を受け、10%だけが治療を受けていると話した。BMSがInhibexを買収し獲得したヌクレオチドポリメラーゼ阻害剤(nucs)は経口直接作用抗ウイルス剤(DAA)の併用におけるバックボーンになり、HCV治療のパラダイムを変革するものとして期待されている。


ウオール街のアナリストらは、HCV治療薬のピーク時売上は200億ドルに達すると見ている。昨年、新規HCV治療薬Incivek(telaprevir)を発売したVertex Pharmaceuticals、Victrelis (boceprevir)を発売したメルクに加え、今後、ロシュ、BMS、ギリアード、アボットラボラトリーズ、J&Jなどの開発競争が激しくなる様相だ。未だ買収の対象となっていないベンチャーで有望製品を持つ企業のなかにIdenix Pharmaceuticals とAchillion Pharmaceuticalsが注目されている。IdenixはIDX184 というnucを開発中だが、同剤は低薬価のリバビリンとの併用で高い効果が望めるほか、耐性が発生しにくいプロファイルなど有利な立場にあると言われる。


ノバルティスが2009年にIDX184のオプションを拒否したが、同社の株式を31%所有している。IdenixのRon Renaud CEOは、「ノバルティスが当社の買収者にはならないだろう」とノバルティスによる買収は否定している。一方、Achillionは、次世代プロテアーゼ阻害剤2剤(ACH-1625 、ACH-2684)を持ち、同2剤はNS5A阻害剤ACH-2928およびACH-3102との併用を目指している。


Achillionは、同社の次世代プロテアーゼ阻害剤もNS5A阻害剤ともにベスト・イン・クラスの薬剤でこれらの併用にも自信を持っているとコメントしている。2011年11月同社のMichael Kishbaughは、「当社は買収寸前の状態になっていた」と話したと報じられた。同社幹部は、「現在、パイプラインに集中できハッピーである」と話している。
今年1月、BMSがInhibexを買収すると発表した際、それを好材料とし、IdenixおよびAchillionの株式は上昇した。
 


 

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