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薬価改定影響 武田は平均以下の5%台 競合激しいARBブロプレス6.6%に留まる

公開日時 2012/03/06 04:02

ミクス編集部は、4月1日に実施される薬価改定が3月5日に告示されたことを受け、製薬各社に対し改定影響調査を行い、同日に回答のあった46社を集計した。それによると、最主力の2製品が大幅な引き下げとなったエーザイを除き、国内大手・準大手はおおむね、全体の実質改定率6.25%(長期収載品の追加引き下げ含む)を挟む影響率だった。その中で国内最大手の武田薬品は平均を下回る5%台後半(仕入品含む)。最主力品のARBブロプレスは、競合が激しい中で他社製品よりも低い6.6%の引き下げに留まっていた。(製品の改定率は原則汎用規格)

武田薬品の改定率が5%台となったのは、最主力のDPP-4阻害薬ネシーナなどの新薬創出加算品目の存在に加え、同社にとって売上の最も大きいブロプレスの改定率が比較的低く落ち着いたことが影響したためだ。ブロプレスに匹敵する売上を持つノバルティスのディオバンが8.4%(汎用規格)、第一三共のオルメテックが8.2%(同)の薬価引き下げとなる中で、ブロプレスの6%台の引下げは際立って低い。本誌既報(3月5日号速報)の通り、武田薬品の価格政策は医薬品卸にとって"辛口"であることが反映した結果と推察できよう。

影響率の低さでは大塚製薬の3.8%が突出している。主力品の統合失調症治療薬エビリファイや心不全の体液貯留に用いるサムスカなどで新薬創出加算を取得し、薬価が維持されたことが奏功したとみられる。

田辺三菱製薬、塩野義製薬、小野薬品、大正製薬(大正富山医薬品)も5%台で、新薬創出加算の適用が全体への影響を低めたことがうかがえる。

エーザイ11%強 アリセプト、パリエットの大幅改定が影響

エーザイは、10年度改定での影響率4%台半ばと先発メーカーでは最低水準から一転、今改定では11%強と最高水準の影響率となった。最主力品の1つであるアルツハイマー型認知症治療薬アリセプトが、後発品が発売されたことで10年度に適用を受けた新薬創出加算分を返還したのに加え、市場拡大再算定を受け16.7%。もう1つの最主力品のPPIパリエットも15.3%となり、全体に影響した。同社は10年度改定では長期収載品比率は10台半ばだが、今回の改定では60%半ばまでになった。

EPO製剤ネスプ、エポジン、バイオシミラーは大幅ダウン

EPO製剤を主力に持つ協和発酵キリンは約7.0%、中外製薬は6.0%と平均的であるものの、協和発酵キリンのネスプは10.0%、中外製薬のエポジンは15%弱の薬価引き下げとなる。EPOバイオシミラーのキッセイ薬品のエポエチンアルファBS注は21.3%ものダウンとなった。激しい競争が行われたことがうかがえる。ただ、この中で中外製薬の新規EPO製剤ミルセラは新薬創出加算が適用されて薬価は維持され、エポジンとの世代交代が見て取れた。

製薬各社の薬価改定影響率及び長期収載品比率は、こちら

 

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