AirStrip 携帯端末で遠隔ベッドサイド・モニタリング
公開日時 2012/03/21 04:00
米国では医療現場に携帯端末が急速に普及している。医療現場以前に、医学部で学生全員にiPadを無料で配布し、教科書の電子化/授業のペーパーレス化をはかり、同時に実習現場ではスマートフォン・アプリを使いこなせるようにと指導するメディカル・スクールが急激に増加している。日本でもフロリダ大学の例がテレビで紹介されたが、シリコンバレーにあるスタンフォード大学でも学生全員にiPadが配られている。米国では、携帯端末アプリを診療現場で自在に迅速に使いこなすことが医師の基礎教養のひとつになりつつある。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
患者のベッドサイド・モニタリングを携帯端末を通して遠隔で見ることができるソリューションとして注目されているのが AirStrip(エアストリップ)だ。
http://www.airstriptech.com/
ポケットに入る携帯端末で 心電図の波形も受診でき、文字通り「いつでもどこでも」あたかもベッドサイドで機器を見守っているかのように患者をモニターすることができる。ICU、術後回復質、救命救急室など、病院にはインテンシブに患者をモニターする必要のある部署が多いが、医師やナースが常に患者につきっきりで見守っているわけにいかないのが多忙な診療現場の現実である。AirStripはそんな現実への対応策となることをめざす。何人もの患者の機器を一人で複数のモニター画面に目を凝らして見守らねばならないモニター・ナースの責任もチームで共有/軽減でき、複数の目で事故のリスクも軽減できる。
AirStrip社を率いるユージーン・パウェル氏は「常に忙しくコミュニケーションがむずかしい医療現場を支え、また、世界的な医療専門職の不足を弊社の技術で補うことができ、医療の質の向上に寄与できれば幸い」と語っている。