EMA 専門家・委員会などの利益相反管理を強化
公開日時 2012/04/11 04:00
欧州医薬品庁(EMA)は4月3日、EMA経営委員会(Management Board)およびEMA業務に関与する専門家や委員会委員の利益相反の管理を一層厳格にしたと発表した。
EMAは従来からEMA業務に参画する専門家、委員会委員については利益相反の管理を厳しくしてきたが、学術的な試験や公的資金を使用した研究などでの専門家の関与について利益相反状況の明確化を図ると同時に科学的な意思決定の際の役割に制限を設けたり(会議への出席の制限など)、医薬品業界からの補助金についてのルールを厳しくした。
今回の措置では、経営委員会メンバーの利益相反に関する方針や専門家・委員会委員などが不正確な、あるいは不完全な利益相反の申告を行った場合のEMAの新たな対応策も明確に打ち出した。経営委員会メンバーについては、専門家や委員会委員のルールに準ずるものとし、経営委員会では特定の薬剤についての議論は行わないという事実を確認した。スタッフ、専門家、委員会委員、経営委員会メンバーは毎年、利益相反について申告を義務づけられる。
EMAは、今回の対応は、EMAがスタッフ、専門家、委員会、経営委員会メンバーの利益相反のリスクを如何に重要視しているかを示すものだと説明している。
EMAは、利益相反の管理の強化および透明化については、以下のような施策を講じてきた。
*2011年9月、欧州の専門家の利益相反の申告をウェッブ上で公開。
*2012年1月、EMAが各国レベルおよび欧州レベルでの利益相反の情報をクロスチェックできるように、各国
提出された申告へのアクセスを要請。
*2012年2月、欧州の専門家のリスクレベルを公表。
*2012年3月、EMAスタッフの利益相反ルールの改定およびEMA幹部の利益相反の申告の公表。
EMAのルールでは、従来から、専門家は利益相反についての申告に署名しない限り、EMAの活動には関与できない。EMAは、利益相反リスクを評価、リスクレベルと利益相反の申告は継続的に更新されている。