武田薬品は４月19日、インターネット上で医療用薬の情報を提供する「MR君」（エムスリー社）の活用を５月中に開始すると発表した。医師への情報提供のうちネットの占める割合が1/4まで増加しているといわれる環境の変化を受けた対応で、外部のeディテーリングサービスを活用するのは初めて。業界で評価の高い同社のMR活動と「MR君」を組み合わせることで「情報提供力を最大化」し、製品の浸透を高めたい考えだ。

「MR君」は、エムスリー社が運営する医療従事者向けサイト「m3.com」において、登録した会員に対し情報提供するサービス。武田は、４月中に「MR君」による提供を希望する会員の登録を募り、５月中に、近く発売する新規高血圧症治療薬アジルバをはじめ生活習慣病領域、中枢神経疾患領域、整形外科領域の製品の情報提供を「MR君」を通じて開始する。対象となる製品数、製品名は開示していないが、今後の効果を検証したうえで展開の拡大を検討する。

「MR君」を通じた武田の活動対象となる医師は３万5000人程度（12年度末時点）。情報提供回数は年165万回以上が見込まれ、それはMR約2500人に相当するという。

武田はさらに、武田とエムスリーは、「MR君」とMRが持つiPadとを連携させ、情報共有できるような形でMR活動をサポートする仕組みを共同で開発しており、今年中の開始を予定している。