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【ASCO特別版】41試験対象pooled analysis LA-NSCLCへの地固め化学療法でOS延長効果認められず

公開日時 2012/06/06 06:54

ステージⅢの局所進行非小細胞肺がん(LA-NSCLC)において、標準療法の放射線化学同時併用療法後の地固め化学療法で、全生存期間(OS)の延長効果はないことが示された。41試験の文献を統合して解析した(pooled analysis)結果、明らかになった。近畿中央胸部疾患センターの山本聡美氏が、6月1日から米国シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、6月4日のOral Abstract Sessionで発表した。


ステージⅢのLA-NSCLCは、NSCLCの約30%を占め治癒が期待されるものの、いまだ予後不良だ。一方で、明確なエビデンスがある治療法は確立されておらず、地固め化学療法も、Hoosier Oncology Groupが行った無作為化臨床第3相試験で、ドセタキセルによる地固め化学療法は、有害事象が増加し、生存期間の延長がみられなかったことが報告されている。


今回の解析は、山本氏らは、地固め化学療法の生存期間延長効果と、毒性を検討することを目的に、文献pooled analysisの手法で行った。対象は、1995年1月1日~2011年10月31日までに発表された論文。PubMedを用いて、”non-small cell lung cancer”、”radiation or radiotherapy”, “concurrent or concomitant” , “phase Ⅱ or phase Ⅲ”をキーワードに、化学放射線療法が生存期間に与える影響について検討した論文を検索した。論文は、英文で報告された各群30例以上の研究に限り、生存データがないものは除外した。


キーワード検索でヒットしたのは1209報。このうち、英文以外の報告や、臨床第2相試験、臨床第3相試験ではない論文などを除外。さらに、OSが中央値に達していない論文や、ステージⅢ/Ⅳ患者を含む論文などを除外した、臨床第3相試験7報、臨床第2相試験34報で、41試験、45群について解析した。


内訳は、①地固め化学療法なし(CCT-)20群1740例②地固め化学療法あり(CCT+)25群1707例――。地固め化学療法あり群の内訳は、導入療法と同じ化学療法を継続(CCCT)21群と導入療法と異なる化学療法剤を継続する(SCCT)4群だった。


患者背景は、CCT-群とCCT+群で、性別、組織型(扁平上皮細胞がん、腺がん)、ステージ、PSに差は認められなかった。化学放射線療法併用の導入療法の胸部照射の計画線量は2群に差は認められず、ともに80~90%の患者が、放射線化学療法を完遂した。


因子がOSに与える影響を検討した結果、研究時期(p=0.022)、地域(アジア vs 非アジア、p=0.035)が有意な関連を示す因子として浮かび上がった。なお、出版バイアスはないと考えられた。


 

 

 

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