協和発酵キリン12年第2四半期決算 ネスプ5%増 年間目標32億円上乗せ
公開日時 2012/07/30 04:01
協和発酵キリンは7月27日、2012年12月期(1-6月)第2四半期決算を発表した。 先行して発表された業績予想の上方修正の一因となった腎性貧血治療薬ネスプの売上高は、薬価改定で10%引き下げられたが5%増。通期予想も当初より32億円上乗せの537億円(11年度実績564億円)に修正した。
ネスプの好調さについて同社は、発売5周年を迎え臨床現場でのエビデンスの蓄積や、プラシリンジ製剤が、保存期慢性腎臓病の適応を取得し、容器をガラスからプラスチックに変更したことなどにより安全性や機能性が向上していることなどを理由に挙げている。
国内営業はマイナス 花粉症の低流行、薬価改定が影響
医薬事業全体では、売上高は2%増の1228億円だが、これは技術料収入や海外販社の連結による効果によるもので、国内営業はマイナス33億円だった。ネスプなど一部主力品の売上が伸長したが、約7%の薬価改定や花粉症の流行があまりなかったことから主力品の抗アレルギー薬アレロックが20億円減となったことなどが影響した。営業利益は、海外販社の連結による費用増や大塚製薬からのDPP-4阻害薬サキサグリプチン(承認審査中)の導入による契約一時金の支払いがかさみ17%減の233億円だった。
通期の医薬品事業は当初予想を引き上げ、売上高は60億円多い2480億円(11年度実績2293億円)、営業利益は30億円多い487億円(同413億円)。
【連結実績(前年比)12年度通期予想(前年度比)】
売上高 1662億9000万円(10.8%減) 3330億円(3.1%減)
営業利益 255億8500万円(14.5%減) 520億円(11.6%増)
経常利益 230億9400万円(23.6%減) 465億円(0.5%減)
純利益 115億2300万円(35.0%減) 230億円(10.2%減)
【主要製品売上(前年同期)12年度通期予想、億円】
ネスプ 268(254)537
エスポー 19(27)40
(2剤計 288(282)577)
レグパラ 62(53)130
アレロック 161(181)291
セルテクト 10(13)18
パタノール 69(86)101
グラン 64(67)134
フェントス 20(12)45
5-FU 14(15)27
ナベルビン 6(8)12
コニール 85(96)172
コバシル 17(19)34
イノバン/プレドパ 11(13)24
デパケン 52(53)108
ペルマックス 8(11)17
ナウゼリン 22(23)47
アサコール 18(11)38