調剤薬局大手のクオールは10月15日、薬剤師などの人材紹介やCSO事業を展開するアポプラスステーションの株式を取得し、子会社化すると発表した。アポプラスの持つ人材紹介・派遣業のノウハウを共有するとともに、成長余地があるCSO事業を獲得することで、非調剤事業の成長を後押しできると判断した。CSO市場はクインタイルズがシェア６割を占める寡占市場だが、その中でアポプラスはトップ３クラスとみられる。

株式は投資ファンドなどから全て取得し、取得価額は32億3500万円と算定。10月31日に引き渡し、完全子会社化する予定。

調剤薬局市場は、医薬分業の進展に合わせ成長してきたものの、分業率64％となり、院外処方せん枚数とともに伸びの余地が少なくなりつつある。そのため競争が激化し、国の分業誘導策もひと段落して調剤報酬は厳しさが増すと予測されており、利益率の低下など事業環境は厳しくなるとみられている。その中でクオールは中期経営計画（12～14年度）で、主力の調剤薬局事業に加え、人材紹介・派遣など非調剤事業も拡大させるとしており、アポプラスの買収もその一環として行われる。

クオールの11年度業績は、売上高662.01億円、営業利益33.08億円。うち非調剤事業は売上高20.00億円、営業利益1.76億円。アポプラスは売上高52.49億円、営業利益1.54億円。