アステラス製薬10月22日、新しい作用を持つ前立腺がん治療薬ゴナックス皮下注用（一般名：デガレリクス酢酸塩）を23日に発売すると発表した。腫瘍の増殖を促す男性ホルモンのテストステロンの産生を低下させ、腫瘍の増殖を抑える仕組みだが、テストステロンの産生に関わるGnRH受容体へのGnRHホルモンの結合を阻害するGnRH受容体拮抗薬である点が、従前の治療薬とは異なる。４週に１回投与する。

承認申請は、国内フェーズ１、同２、海外フェーズ３の結果に基づき行われた。同省によると、類薬のリュープロレリン（LH－RH誘導体）とは非劣勢。

薬価（１瓶）：80mg２万3693円、120mg２万9126円
市場予測（ピーク時10年後）：投与患者数３万7000人、販売金額88億円

同社にとっては、重点の泌尿器領域の強化とともに、がん領域の新薬の第１号となる製品。現在の前立腺がんの基本的な治療薬はリュープリンなどのLH-RHアナログ製剤との競合になる。LH-RHアナログ製剤はがんの発症・進展に関与するテストステロンの産生に関与するホルモンLH-RHの取り込みを、同製剤の投与で抑えることで、がんも抑える仕組み。