協和キリン 非小細胞肺がん用薬ARQ197の国際共同フェーズ3中止
公開日時 2012/10/31 04:01
協和発酵キリンは10月30日、進行または転移性の非小細胞肺がんを対象にした、抗がん剤エルロチニブを併用したARQ197(一般名:tivantinib)の国際共同フェーズ3(「ATTENTION試験」 実施地域:日本、韓国、台湾)の中止を決定したと発表した。8月に間質性肺疾患の発生頻度の高まりを踏まえ、安全性評価委員会の勧告に基づき試験を中断。その後に再開も視野に入れて行った追加調査の結果を同委が検討した結果、中止を勧告した。この中止の判断は「ATTENTION試験」だけであり、非小細胞肺がんのEGFR変異型患者を対象にした同剤とエルロチニブ併用のフェーズ2(オープン試験)は今後も進め、開発を継続する。
「ATTENTION試験」は、ARQ197とエルロチニブ併用群と、プラセボとエルロチニブ群を比較する無作為化二重盲検比較試験だった。
ARQ197は、米国アーキュール社が創製したもので、腫瘍の広がりや転移に関与しているとされるc-Met(受容体チロシンキナーゼ)を阻害する経口分子標的薬として開発されている。協和発酵キリンはアーキュール社から07年4月に、日本、中国、韓国、台湾での独占的開発・販売権を取得。非小細胞肺がん以外では、胃がんでフェーズ2、肝がんでフェーズ1の段階にある。