NICEガイダンス案 アバタセプトをRAでの広範な使用を推奨
公開日時 2012/12/13 04:00
英国立医療技術評価機構(NICE)は12月6日、米ブリストルマイヤーズスクイブ社の関節リウマチ(RA)治療薬Orencia(アバタセプト)のNHS(国民保健サービス)での使用推奨ガイダンス案を公表、同日からパブリックコメント(パブコメ)の募集を開始した。
同ガイダンス案では、アバタセプトを、メトトレキサート(MTX)を含む2種類の既存の疾患修飾薬(DMARDS)で十分に奏功しない場合で、生物学的製剤であるアダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブの使用推奨に従って使用される場合で、当該製薬企業が患者アクセススキームにおいて合意した割引価格で提供する場合に、RAの治療オプションとして、MTXとの使用を推奨するとした。
NICEは、2011年8月に、アバタセプトについて、既存のDMARDS治療後に使用するのには、アダリムマブ、エタネルセプト、セトリズマブ ペゴルを含む生物学的製剤と比較した場合、費用対効果が十分でないとの理由で非推奨のガイダンス(TA234)を発行していた。しかし、製薬企業が保健省(DOH)と患者アクセススキームの導入に合意したため、TA234 を見直すことになった。
NICEは、アバタセプトについては、前治療が既存のDMARDSでなく、1つ以上のTNF(腫瘍壊死因子)阻害剤で奏功しない場合か、禁忌もしくは忍容性の観点からリツキシマブを使用できないRA患者のオプションとしては、2010年8月のガイダンスTA195で推奨していた。今回の推奨案により、適応が拡大することになる。
NICEは、2007年10月にアダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、2010年2月にセトリズマブ ペゴル、2011年6月にゴリムマブ、2012年2月にトシリズマブの推奨ガイダンスを発行している。アバタセプトの年間薬剤費は、NHSの価格表に基づくと体重と医療機関との交渉によって異なるが、体重60-100kgの患者1人当たり、初年度が12,700ポンド、次年度が11,793.60ポンドとなる。患者アクセススキームにおける割引価格については開示されていない。
NICEのCarole Longsonヘルステクノロジー評価センター長は、「このガイダンス案は、一定の臨床環境下におけるアバタセプトの使用を提供することによって、治療の選択肢を広げるものとなる」と述べたうえで、同案についての意見を歓迎すると話した。パブコメの締め切りは、2013年1月10日。