日医工は、鉄欠乏性貧血治療薬フェジン静注（一般名：含糖酸化鉄）の投与中に体内の鉄が過剰になる鉄過剰症及び二次性ヘモクロマトーシスを発現した症例が2010年以降３例あったとして、適正使用情報を発信し、医療関係者に注意喚起した。進行すると肝障害を引き起こしたりする。

添付文書では、投与前の必要鉄量算出および投与中の定期的な血液検査実施など過量投与防止について注意喚起しているが、今回発現した症例では検査の不徹底や漫然投与が見られたことから、注意喚起することになった。鉄過剰を認めた場合には、同剤の投与の中止など適切な処置を行うよう呼びかけた。

文書では、肝臓などへの鉄の沈着が現れる二次性ヘモクロマトーシスを２例（60代と50代の男性）紹介。鉄過剰の状態の検査値である血清フェリチン値(ng/mL)は「高度上昇」にあたる5000を両症例とも一時的に超えた。