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生活保護受給者の不適切な医療利用 医療従事者の半数経験 QLife/SMS共同調査

公開日時 2013/02/19 04:00

医療従事者の約半数が、生活保護受給者による不適切な医療機関の利用を目にしたことがある―― このような調査結果を、国内最大級の病院検索サイトを運営するQLife社と、医療メディア運営や医療・介護分野の人材紹介サービスを展開するエス・エム・エス社が共同でまとめた。不適切な事例としては、過剰な受診や、必要のない量・種類の医薬品の請求、入院希望など。なかには、ジェネリックへの変更を医療費削減につながることも併せて説明したところ、「タダだから関係ない」と拒否されたケースもあったという。

調査は2012年12月23日~13年1月11日に実施した。調査対象は両社が運営する3サイト「院長.jp」「ナース専科コミュニティ」「ココヤク」の会員で、有効回答数は医師182人、看護師370人、薬剤師192人の計744人。調査方法はインターネットリサーチ。

医療従事者に、「自身が経験した公的補助を悪用した不適切な医療機関の利用」について質問した。その結果、生活保護受給者について不適切な利用があったとの回答が47%、子どもの医療費補助を利用した両親の不適切な利用が17%――だった。

具体例としては、生活保護受給者のケースで、「糖尿病のインスリン患者が、食費がなくなるとわざとインスリンを打たずに高血糖になって救急外来を受診し、入院して食費を浮かす」(医師)、「症状の出ていないものに対しても処方してもらっていた。余ったものは他人にあげたり、分けると言っていた」(看護師)、「執拗に薬剤の処方を要求。断ると、何かあったら責任を取ってくれるのかと脅すことがある」(看護師)、「蚊に刺されただけでも、虫刺されの薬を買うとお金がかかるからと言って受診する」(看護師)、「さみしいからと救急車を呼び、救急で受診し、『熱っぽいからと入院したい』と言い張る。一応、一通りの診察を強いられる」(看護師)――といった内容がみられた。

また、生活保護受給者に対する調剤が4月から原則ジェネリックとなるが、同調査に参加した薬剤師からは、「薬は先発品で。ジェネリックはイヤ」「(ジェネリックを説明しても)タダだから関係ない」と生活保護受給者から言われた経験があるとの回答を寄せた。調剤窓口で説明に苦慮するケースも出てきそうだ。

◎子どもの医療費補助の不適切事例 コンビニ受診や家族間の薬の使いまわしが多く

子どもの医療費補助を利用し両親のケースでは、「必要以上の受診。無料期間が終わる直前に必要のない検査や薬の長期投与を要求する」(医師)、「保護者の都合によるもの。『時間内は待つのが面倒』と終わってからの時間外受診を平然としながら言う」(看護師)、「『何回受診してもタダだから』や『タダのうちに手術する』という声をよく聞く」(看護師)――といったコンビニ受診や、「どうみても母のでしょ?と思われる、ローションや保湿クリームが大量に処方されている」(薬剤師)など家族間での薬の使いまわしの回答が多く見られた。

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