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IFPMA 「漸進的イノベーション」が患者、医師のために

公開日時 2013/03/12 04:00

 国際製薬団体連合会(IFPMA)は2月25日、「漸進的イノベーション:患者のニーズに適合するために」(INCREMENTAL INNOVATION: ADAPTING TO PATIENT NEEDS)と題する報告書を発表、そのなかで、画期的・革新的なものばかりがイノベーションではなく、徐々に改善されていくこともイノベーションで患者や医師のためになるとの考えを示した。


同報告書は、医薬品業界についてのアナリストが、しばしば、R&Dパイプライン上の医薬品候補物質の評価のみをイノベーションとして見ているとイノベーションの一般的な見方を紹介したうえで、医薬品のイノベーションは、医薬品の本来持つべき有効性・安全性を増大させることを共通のゴールとして、製品として日の目をみなかったR&Dの失敗を含むR&Dプロセスにおける蓄積された知識・技術やその応用などを含めた広範囲な研究活動であると見ている。


同報告書は、さらに、イノベーションを3つのカテゴリーに分けている。①革命的イノベーション(Revolutionary Innovation)。新たな生物学的理論や代謝パスウェイの発見など新規の科学的理論や原則などの確立によってなされる、通常いうところのイノベーション。 ②急進的イノベーション(Radical Innovation)。革命的イノベーションの概念の具体化を実現によって生まれる急進的な製品を指す。ファースト・イン・クラスの製品が急進的イノベーションを象徴する。③漸進的イノベーション。漸進的イノベーションは、既存薬をベースにした新規薬理作用の発見、効能追加・用法用量などの治療選択肢の追加、既知薬剤についての新規相互作用の発見、小児用薬への剤型追加など、ひとつひとつは革新的とは見えなくても医療供給者、患者へのベネフィットが提供できる。漸進的イノベーションが、急進的な製品(ファースト・イン・クラス製品)の探索や改善に最もふさわしいと指摘している。ある薬効領域の最初の製品を品質・安全性・有効性の標準として使用することは結果的に患者ニーズに合わせるという面での改善を生むことになるため、漸進的イノベーションの意義があるという。


同報告書は、漸進的イノベーションの実例として、糖尿病治療薬DPP-4 阻害剤やGLP-1 誘導体の開発後、新規薬剤のSLGT阻害剤に結びついたことなど多くの疾患領域で、当該新規画期的薬剤をベースに医師の経験や患者ニーズに基づいて、新たな作用機序を持つ薬剤の開発につながっていることを示している。


同報告書の公表に際し、IFPMAのEduardo Pisiani事務局長は、「エビデンスに基づいた議論がグローバルヘルスを進歩させるカギだ」と述べたうえで、「本報告書は、バイオおよび医薬品のイノベーションが、どれほど患者にベネフィットをもたらすか、また、漸進的イノベーションは大したことはないという誤解をなくす事実や目に見える実例を示している」とコメントしている。


 

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