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厚労省 抗うつ薬(SSRI、SNRI、NaSSA)6剤の添付文書改訂指示 小児投与「慎重に」

公開日時 2013/04/01 04:00

厚労省医薬食品局は3月29日、抗うつ薬(SSRI、SNRI、NaSSA)6剤の添付文書に、小児への投与は「慎重に検討する」ことを記載するよう、日本製薬団体連合会に文書で指示した。海外でのプラセボ対照臨床試験で有効性が確認できないとの結果が報告されたことを受けた対応。この改訂指示を受けて日本うつ病学会と日本児童青年精神医学会は同日に共同声明を発表し、重症度など様々な症状を持つ患者がおり「薬物療法の可能性が否定されるものではない」との見解を示した上で、薬物療法の必要性を見極める姿勢を医師ら求めた。

 
改訂指示があった6剤は次のとおり。
SSRI:▽エスシタロプラムシュウ酸塩(販売名:レクサプロ錠、会社名:持田製薬)▽塩酸セルトラリン(ジェイゾロフト錠、ファイザー)▽フルボキサミンマレイン酸(ルボックス錠、アボットジャパン/ デプロメール錠、Meiji Seika ファルマ)
SNRI:▽デュロキセチン塩酸塩(サインバルタカプセル、塩野義製薬)▽ミルナシプラン塩酸塩(トレドミン錠、旭化成ファーマ)
NaSSA:▽ミタルザピン(レメロン錠、MSD/ リフレックス錠、Meiji Seika ファルマ)
 
添付文書には、レクサプロ錠では12歳未満、他の5剤は18歳未満の「大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること」と追記することになる。SSRIのパロキセチン塩酸塩水和物(パキシル錠、グラクソ・スミスクライン)については、18歳未満患者に対し今回と同様の対応をすでに取っていることから、改訂対象になっていない。
 
同省は、既に薬物療法を継続している患者らに対し、「自己判断による服薬の減量、中断は「不安・焦燥・興奮・錯乱などの精神障害や耳鳴り・電気ショックのような知覚障害などが現れることがある」として医師の指示に従うよう呼びかけた。
 
多面的な見立てによる治療法選択を 日本うつ病学会など医師に呼びかけ
 
医師ら専門家に向けては、日本うつ病学会と日本児童青年精神医学会が共同で発表した声明で、小児患者では「さまざまな重症度のものが含まれており、なかには心理的介入のみでは不十分なケースもあり、現に薬物療法の有効なケースも認められます。そのような場合は、薬物療法あるいは薬物療法と心理療法の併用を考慮すべきです」と指摘。しかし、SSRIなどの抗うつ薬を「積極的に選択するだけの合理的な根拠はありません。年齢により治療反応性が異なることを踏まえ、慎重に薬物療法を実施することが求めらます」とした。
 
続けて、今回の改訂により「薬物療法の可能性が否定されるものではない」とし、「(小児患者の)発達的側面や心理社会的状況を含めた多面的な見立てのもとに、まずは心理社会的支援を実施し、必要に応じて薬物療法を検討する」ことを基本姿勢に治療にあたることを呼びかけた。
 
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