腫瘍細胞のみターゲットで安全性向上有効性の高さに期待まず、HER2陽性転移再発乳がん治療のセカンドラインにHER2陽性転移性、再発乳がんの新たな治療法として注目を集めるトラスツズマブエムタンシン（T-DM1）。HER2陽性乳がんの標準治療とされるトラスツズマブに、化学療法剤のDM1を結合させた、“抗体薬物複合体（ADC）”で、正常細胞にほとんど影響を与えず、腫瘍細胞のみをターゲットとすることを可能とした。安全性を担保した上で、さらなる有効性の向上が期待できる。進行再発治療で、トラスツズマブ+化学療法での治療効果が減弱した患者への有用な治療選択肢として期待されることとなりそうだ。2013年１月には、国内でも製造販売承認申請が行われ、近く臨床現場に登場することが期待される同剤が乳がん治療に与える...