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【ASCO速報】EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC) 術後化学療法後にゲフィチニブの投与でPFS延長

公開日時 2013/06/04 06:40

EGFR遺伝子変異(exon 19 欠損またはL858R 点変異)を有するステージIIIA-N2患者に対して、術後化学療法後にゲフィチニブを投与することで、無再発生存期間が有意に延長することが分かった。中国で行われたオープンラベルの無作為化臨床第2相試験の中間解析の結果、明らかになったもの。5月31日から6月4日まで米国シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会のポスターディスカッションセッションで1日、Sun Yat-sen University Cancer CenterのSi Yu Wang氏が報告した。


2008年8月から2011年9月までに登録されたEGFR遺伝子変異(exon 19欠損20例、exon 21 L858R点変異40例)を有するステージIIIA-N2患者60例(男性35例、女性25例・腺癌56例、扁平上皮癌2例、非扁平上皮癌2例)を、ペメトレキセド(500mg/m2)+カルボプラチン(AUC=5)の21日毎投与4サイクル(対照群30例)、またはこの後にゲフィチニブ250mg/日を6カ月間投与するゲフィチニブ投与群(30例)に無作為割付した。


今回の中間解析の結果、ゲフィチニブ投与群では、主要評価項目の無再発生存期間(DFS、中央値)が39.8カ月で、対照群の27.0カ月と比較して有意に延長した(ハザード比0.369, 95%CI 0.161-0.847、p=0.014)。Wang氏によれば、この結果に基づき、試験は早期終了となった。OS(中央値)には、有意差は認められなかったもののゲフィチニブ投与群で良好な傾向であった(ゲフィチニブ投与群41.6カ月対対照群32.6カ月)。


両群の有害事象は、ゲフィチニブ投与群で下痢が多かった(9例対4例)以外、概ね同様だった。


Wang氏は、「ステージIII-N2でEGFR遺伝子変異を有するNSCLC患者に対する術後化学療法後にゲフィチニブを投与することで、DFSの有意な改善が示された」と結論づけた。


◎ディスカッサントで坪井氏「日本での試験結果を待ちたい」


本試験は当初1群50例、計100例を登録する計画だったが、中間解析でDFSの差が大きく、患者不利益を避けるために早期終了した。ディスカッサントで坪井正博氏(横浜市立大学医学部外科学教室/横浜市立大学付属市民総合医療センター)はこの点に触れ、▽試験デザインにおける中間解析の定義が明確ではないこと、▽患者不利益を避けるならば、第III相試験が同様のデザインで行われることは不自然であること―などを指摘した。


日本では現在、術後補助療法としてゲフィチニブ単剤と標準化学療法(シスプラチン+ビノレルビン)とを比較する臨床第3相試験IMPACT/WJOG6410Lが実施されており、すでに約100例が登録されている。坪井氏は、中国でも同様の試験が行われており、ゲフィチニブ単剤で高い効果が得られるとすれば、殺細胞性の薬剤を併用するメリットについても問われることになる。現時点において、本試験の解釈は容易ではなく、これらの試験結果を待ちたいと述べた。


 


 

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