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DPC病院 リウマチ患者に最初に処方される生物学的製剤 エンブレルが最も多く MDV調査

公開日時 2013/06/11 05:02

DPC病院の診療データを集計・分析しているメディカル・データ・ビジョン(MDV)はこのほど、リウマチ治療に用いられる生物学的製剤6剤の2011年1月~12年12月までの使用動向をまとめた。その結果、リウマチ治療で最初に選択されていた生物学的製剤はエンブレル(成分名:エタネルセプト)が最も多く、全体の36%を占めていた。

 

今回の調査は患者数ベースで市場動向を見たもの。MDVはDPC病院126施設の診療データ(レセプトと診療明細データ)をもとに、患者数や処方数量ベースの市場動向などを分析しているが、今回の調査対象は、調査期間とした2年間のデータ収集が可能な55施設のリウマチ患者2052人のうち、生物学的製剤を初めて処方された504人とした。調査では、メトトレキサートなどでリウマチ治療を行った後、最初に処方された生物学的製剤の内訳を分析した。生物学的製剤とリウマチの適応取得年は、レミケード(インフリキシマブ)03年、エンブレル05年、アクテムラ(トシリズマブ)08年、ヒュミラ(アダリムマブ)08年、オレンシア(アバタセプト)10年、シンポニー(ゴリムマブ)11年――。

 

11~12年の2年間に最初に処方された生物学的製剤では、エンブレルが36.1%(182人)と最も多く、次いでレミケード19.8%(100人)、アクテムラ17.9%(90人)、ヒュミラ13.9%(70人)、オレンシア6.9%(35人)、シンポニー5.4%(27人)――だった。リウマチを含む全適応による各生物学的製剤の12年度売上は、レミケードが735億円、エンブレルが432億円とレミケードに軍配が上がるが、DPC病院かつリウマチへの新規処方に限ると、エンブレルの方が多い結果が得られた。

 

次に、11年と12年それぞれで生物学的製剤が新たに処方されたリウマチ患者数とその薬剤を見てみる。11年の処方患者数は193人、12年は311人と患者数は増加していた。薬剤ごとに処方患者数を見てみると、レミケードのみ11年53人から12年47人に減少。生物学的製剤6剤による処方シェアを計算すると、6剤で合計100%とした場合、レミケードは11年27.5%(53人/193人)から12年15.1%(47人/311人)と処方シェアが12ポイント下落した。一方で、レミケード以外の5製剤では処方患者数は増加しており、特にヒュミラは21人から49人に、エンブレルは69人から113人に伸長した。ただ、処方シェアを計算すると、エンブレルは11年、12年ともに36%前後(69人/193人、113人/311人)であるが、ヒュミラは10.9%(21人/193人)から15.8%(49人/311人)と5ポイント程度増加した。なお、最も処方シェアが伸びたのはシンポニーで、0.5%から8.4%に約8ポイント上げた(図参照)。

 

◎レミケード クローン病や潰瘍性大腸炎での処方も多く

 

リウマチに限らず全適応について、最初に処方された生物学的製剤がどのようなものだったのかを見てみた。エンブレルとアクテムラはリウマチ以外での処方がほとんど確認されなかったが、レミケードとヒュミラではクローン病や乾癬、強直性脊椎炎での処方が見られた。レミケードは6製剤の中で唯一、潰瘍性大腸炎の適応を10年に取得していたが、この疾患での処方が11年14人、12年37人と伸長したことがわかった。ヒュミラも同疾患での適応をこのほど取得しており、今後の動向が注目される。

 

11年と12年の製剤ごとの新規処方患者の内訳はミクスOnlineプレミアコンテンツ(有料)に掲載する。

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