米イーライリリーは2014年についてほぼすべての社員の基本給を据え置きする方針を固めた。同時に業績に応じて2015年に支給されるコーポレートボーナスプランの会社業績係数を削減する方針。これにより2016年までに４億ドルの人件費削減効果が見込まれている。

今 回の決定は2011年通期まで同社のトップ商品だった抗精神病薬/双極性障害治療薬・ジプレキサが2012年に日本を除く主要国で特許が失効し、大幅減収 となったことに加え、今年半ばには2012年通期業績でジプレキサに代わってトップ商品となったセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬・サインバ ルタ、2014年にはやはり同社のブロックバスターである骨粗鬆症治療薬・エビスタが相次いで特許が失効することが背景にある。

既に09年以降、数千人規模の人員削減なども実行してきた同社だが、これら３製品の同社売上高に占める割合は2012年通期ベースで３分の１にも上り、こ こ数年は「歴史的な危機」ともいえる状態。同社では2012年にベア凍結を行い、2013年に入って解除したばかりだったが、今後の業績悪化を見据えて再 度のベア凍結もやむなしの判断となった。

【訂　正】上記記事の下線部に誤りがありました。修正します。なお、同内容はコーポレートボーナスプランに関するものです。日本の殆どの社員のボーナスに影響はございません。お詫びして訂正します。（7月29日13時30分　修正済）