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大塚製薬 米バイオベンチャー買収 がん領域強化 日本への製品投入も視野

公開日時 2013/09/06 03:51
大塚製薬は9月5日、米国のバイオベンチャーであるアステックス社(本社:カリフォルニア州、ジェームス S.J. マヌーソCEO)を買収することで同社と合意したと発表した。主力領域のがん領域の新薬開発を強化するのが狙いの一つで、日本への製品投入も視野にある。買収額は株式公開買い付けと現金を対価に約8億8600万ドル。主力の抗精神病薬エビリファイの米国での特許満了が15年に迫っており、次期主力品の確保、育成が課題となっていた。
 
アステックス社は91年に設立され、売上高は8316万ドル、純利益は825万ドル、従業員137人。短期間でリード化合物を見つけだせる独自の技術を持ち、過去8年間で8つのがんと中枢神経領域の新規化合物を臨床開発に進めているという。大塚はアステックス社を完全子会社にし、これらと創薬技術を取り込むことで、がん領域と臨床開発力とパイプライン、中枢神経領域の創薬研究を強化したい考え。
 
現在フェーズ2にある開発化合物は5つで、どのがんを対象にしたものかは明かしていないが、全て抗がん剤候補である。(以下)
▽「SGI-110」(DNAメチル化阻害剤、開発会社: アステックス)
▽「AT13387」(HSP90阻害剤、アステックス)
▽「AT7519」(CDK1/2/9キナーゼ阻害剤、アステックス/ノバルティス )
▽「LEE011」(CDK4/6キナーゼ阻害剤、ノバルティス)
▽「AT9283」(JAK/Aurora阻害剤、アステックス)
 
親会社である大塚ホールディングスは、10年12月の株式上場により調達した資金をM&Aを視野に置いた成長に振り向けるとしていた。買収にあたり大塚製薬の岩本太郎社長は、「当社の目指すがん領域のポートフォリオ拡充のみならず、中枢神経領域の創薬研究の強化にもつながるものと期待しています。アステックス社の研究者の情熱によって生み出された“独自のフラグメント創薬技術”と、“がん領域における臨床開発力”は、当社の企業文化である“創造と実証”そのものである」とコメントしている。
 
なお、フラグメント創薬とは、ハイスループットスクリーニングで薬理活性を測定できないような小さな分子フラグメント(ジグソーパズルのピースのようなもの)と、疾患に関与する複雑な立体構造をもつ大きな分子の標的タンパク質との相互作用を明らかにすることで分子設計し、新規化合物を創りだす技術だという。
 
 
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