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今回の診療報酬改定は、大きな流れの変化の表れだ

公開日時 2014/03/26 00:00

イーピーエス株式会社
榎戸 誠

【営業の要諦】

私の長い営業経験から、営業の要諦は、得意先から好かれることに尽きると考えている。誰であろうと、好きでない人間の話は聞こうとしないし、たとえ聞いたとしても、その人の心に響くことはないからである。

それでは、得意先に好かれるには、どうすればよいのか。その得意先が一番知りたいと思っていることを伝えることである。一番サポートしてもらいたいと考えていることに応えることである。

相手が一番知りたいことが分からない、一番サポートしてもらいたいことが何なのかはっきりしない、という人がいるかもしれない。そういうときは、相手に直接聞けばいい。「○○先生、微力ながら先生のお役に立ちたいのですが、私がお手伝いできる課題を教えていただけませんでしょうか?」と、思い切って聞くのだ。このようにストレートに聞くと、予想以上に正直な答えが返ってくるものだ。

 

【診療報酬改定の大きな流れ】

この意味で、『14年度版 医師と話せる診療報酬改定』(Monthlyミクス編集部編、エルゼビア・ジャパン)は、MRの心強い味方となってくれるだろう。特に開業医のドクターは、医療環境の目まぐるしい変化に何とか付いていこうと考えているのだから。

編集長の沼田佳之が、こう述べている。「2014年度の診療報酬改定は医薬品のマーケットに大きな影響を及ぼすものとなろう。特にプライマリケア領域を担当するMRにおいては、従来のプロモーションの枠を超え、大きな転換を求められることは間違いない。・・・看護配置の手厚い高度急性期病院、地域包括ケアを支援する地域包括ケア病棟の新設、外来医療の機能分化を目指す主治医機能の強化、さらには在宅医療を担う機能強化型在宅支援診療所など、いずれの段階においても医療機関の機能分化と連携、在宅への患者誘導のインセンティブを強めた。特に注目されたのは、各段階において後発品の使用インセンティブを高めたことだ。・・・一方、調剤薬局においても後発医薬品調剤体制加算を見直し、後発品の調剤率を高めるインセンティブに点数を見直した。・・・今回の診療報酬改定はそれ(医療提供体制の見直しや在宅医療の強化、地域包括ケアの実現など)を実現するための手段を示したもので、病院、診療所、調剤薬局、さらには医師、薬剤師、看護師の今後のあるべき姿を示したといっても過言ではない」。

 

【プロモーションへの影響】

さらに、「医薬品マーケットもこれにより大きな変化が求められる。新薬の情報提供を行うMRにとっても、地域包括ケアの概念を学び、それに応じた情報提供が求められるだろう。プライマリケア領域を担当するMRは、これまでのような新薬の処方を連呼するプロモーションでは医療従事者から受け入れられないだろう。なぜなら後発品への切り替えが進むなかで、新薬も価値を値踏され、長期収載品は後発品に自動的に切り替わる時代になったからだ。ベストインクラスでは医師の満足度を満たすことはできないことを意味する」と予測している。

本書は、2014年度診療報酬改定について、MRがドクターと話すことを想定してまとめられており、「診療報酬改定の概要とその潮流」「トピック別 主要改定点数解説」「薬価改定の概要」の3章で構成されている。

 

【本書の活用法】

先ず、大きなトレンドを掴み、次に、主要な改定内容の理解を深め、その上で、ドクターとの面談に臨んでほしい。この本を手にした段階で安心してはいけない。私の経験に照らして、中途半端な営業は、成功はおろか、必ず失敗するからである。診療報酬改定に関するサポーター役を目指すならば、本書に書かれている事項なら何を質問されても直ちに簡潔に回答できるというレヴェルに達するまで、本書をしゃぶり尽くしてほしい。

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