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AZ メドイミューン幹部 ファイザー買収提案を振り返る

公開日時 2014/07/08 03:53

アストラゼネカ(AZ)のShaun Grady副社長(ビジネスデベロップメント担当)と同社子会社メドイミューンのReginald Seeto氏が、6月に米サンディエゴで開催された米BIO(バイオテクノロジー産業協会)の会合で「The Pink Sheet」の取材に応じ、ファイザーの買収提案を拒否した理由や当時のAZの社内状況などについて語った。


両氏は、AZが現在、腫瘍、呼吸器、心血管、代謝およびその他(事業機会がある領域)に集中していることを改めて明らかにした。神経科学はその他に入ってはいるが、近年、集中領域からは離れ、一時は500名在籍していた神経科学関連科学者は50名に減少している。しかし、機会があれば、同分野にまた注目することもあるという。


Grady副社長は、アルツハイマー病治療薬のBACE(βセクレターゼ)阻害剤について、同社の集中領域以外の優秀な科学の成果の一例だと指摘した。今後、開発パートナーを見つける考えだが、「集中領域だったら自社のみで開発することを考えただろう」と話した。


英国の買収関連法規によって、ファイザーがさらに買収を試みようとしても不可能な、AZがファイザーからの買収の試みを逃れる一時的救済期間である6か月間内にある。AZはいま、同社の買収提案時の自らの選択を評価しているように見える。


Grady副社長は、「我々は事業開発で誰もがするように常にあらゆるオプションを見ている。しかし、それはその時点で、特定のアプローチがあるということを意味するものでもない」と話している。同社長は、「注目を浴びているとき可能なオプションを見ている。重要なのは戦略をどう動かし、パイプラインを進行させるかであり、我々は相違する意見や我々の注意を別のところに持っていこうとする意見から惑わされないように一生懸命努力している」と自社路線に揺らぎのないことを説明した。


独自路線を行くAZだが、FDA諮問委員会が最近、同社の卵巣がん治療薬に非承認の勧告を行ったのは打撃であった。しかし、AZは、腫瘍戦略に特化、免疫療法領域で「逆転勝ち」戦略を実行、同戦略のの主要物質であるCTLA-4阻害剤のtremelimumabをファイザー問題が鎮静化したあと、ライセンスした。同社は6月のASCO(米国臨床腫瘍学会)での発表はその価値の一部をも表していないとしている。


Grady副社長は、ファイザーの1000億ドルの買収提案はAZのSoriot CEOおよびファイザーのRead社長を巻き込んでの英国議会でのヒアリングがメディアで話題になったものの、同氏を含めたAZ幹部にとっては邪魔なものでなかったとの考えを示した。同副社長は、ファイザーが買収を提案していた数か月をAZが投資家や関係者をAZが独立して価値ある一連の展開を行ったことを示せた経験として前向きにとらえた。


Grady副社長は、「それは格別な体験だった」とAZ買収提案問題を位置づけ、「それは気を散らされる問題というより、実際に我々の組織を活性化する契機となった。社員は現実に彼らが会社に貢献できることに集中していた」と話し、ファイザー買収を回避するためにAZが一丸となった様子を語った.

 


The Pink Sheet 6月30日号

 


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