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規制改革会議 院内薬局開設に厚労省、日薬は反対

公開日時 2015/03/13 03:52

政府の規制改革会議は3月12日、病院内における薬局開設をテーマに関係者からヒアリングを行った。厚労省と日本薬剤師会は院内の薬局開設に反対の立場を表明した。両者は、一人の患者が複数の疾患を合併して医療機関を受診する現状に対し、「かかりつけ薬局で、一人の患者を一元的に管理することが重要」との主張を展開。同一建物内に薬局を開設することは、本来の目的である面分業の趣旨に反すると疑問を呈した。規制改革会議はこの日のヒアリングを踏まえ、6月の答申に向け議論を継続する。


この日の論点のひとつになったのが、院内薬局の開設についてだ。医薬分業の本来の目的として、薬剤師が処方医と独立した立場から薬学的管理を行う必要性がある。そのため、医療機関と保険薬局との経営上、構造上の独立性が求められており、院内に薬局を開設することはできないこととなっている。



規制改革会議の委員からは、経営の独立性が担保されるのであれば、高齢化が進む中で、患者の利便性の観点から院内薬局を開設してもよいのではないかとの意見が出された。


これに対し、厚生労働省の吉田学大臣官房審議官(医療介護連携担当)は、医薬分業を進める中で経営的な独立性の重要性を強調。院内薬局を認めることで、たとえ両者の経営者が形式的に異なっているとしても、実質的には「(医療機関と)一体的な経営でないことをどう担保するのか」と述べ、特定の薬局に処方箋が誘導されることに懸念を表明した。


一方で、本来の薬局のあるべき姿は、患者情報を一元的に管理し、普段から気軽に相談ができる、“かかりつけ薬局”であると説明。地域包括ケアを推進するためにも、面分業、かかりつけ薬局を政策として推し進める考えを改めて示した。ただし、国民からの理解も含め、こうした取り組みは「道半ばで課題も多い」と述べた。


日本薬剤師会の森昌平副会長も、「医療機関と一体的な構造になることは、機能的に特定の医療機関のものになってしまう」と述べ、医薬分業の目的に反するとの考えを強調。「患者を全人的に管理する時に、マンツーマンのかんけいではなく、幅広い医療機関、面分業をすすめることが国民のためではないか」と述べた。


◎薬剤師のサービスがコストに見合うかも論点に


薬剤師のサービスがコストに見合っているか、もこの日の論点となった。院外調剤では、院内調剤よりも患者負担額が大きいことも指摘されている。健康保険組合連合会の白川修二副会長は、「処方箋料と調剤基本料の支払いで、患者負担が増している」とした上で、「負担に見合う効果があるのか疑問」との考えを示した。


これに対し、日本薬剤師会の森副会長は、疑義照会に伴う薬剤費の節減効果は年間82億3451万円にのぼるとの推計を示して反論した。


議論では、薬局によってサービスに格差があることなどが指摘され、これについては厚労省側も今後検討する姿勢を示した。
 

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