中外・15年第2四半期決算 がん領域売上1000億円突破 アバスチンは16%増
公開日時 2015/07/24 03:51
中外製薬が7月23日に発表した2015年12月期(1~12月)第2四半期決算は、国内トップシェアのがん領域売上高が、アバスチンほか新製品の伸びによって1000億円を突破した。前年同期と比べ16.7%増。通期では2000億円超を見込む。
国内製品売上高(タミフル除く)は1791億円、8.3%増。うち、がん領域売上高は1018億円と過半を占める。同領域で最も売上高の大きいアバスチンは443億円、16.0%増。さらに乳がん治療薬ハーセプチンほか、パージェタ、カドサイラを加えたHER2フランチャイズが243億円、20.3%増と、同領域の伸びに寄与した。
骨・関節領域の製品売上高も375億円、13.6%増もの伸びとなった。関節リウマチなどに用いるアクテムラ、骨粗鬆治療薬エディロール、同治療薬の新製品ボンビバの二桁増で、けん引した。
一方、腎領域は、腎性貧血薬エポジンの落ち込みを、同新薬のミルセラの伸びでカバーできず減収。移植・免疫・感染症領域では、C型肝炎のインタフェロンフリー療法の新薬参入などの影響で、ペグインターフェロン製剤ペガシス、同薬と併用するコペガスが予想通り売り上げを大きく落し、同領域全体の減収となった。
業績全体では、新製品、主力品の売り上げ増で8.2%の増収。営業利益は研究開発費、広報活動の強化などによる諸経費の増加で0.2%増だった。通期は増収、営業増益を見込む。
【連結実績(前年同期比)15年度予想】(IFRS)
売上高 2401億7800万円(8.2%増)4865億円(5.5%増)
営業利益 432億1000万円(0.2%増) 850億円(10.0%増)
*15年度営業利益予想はCoreベース
【主要製品の国内売上(前年同期実績) 15年度予想、億円】
がん領域 1018(872)2045
アバスチン 443(382) 882
ハーセプチン 158(149) 296
リツキサン 136(120) 279
タルセバ 55( 56) 141
ゼローダ 53( 50) 100
ノイトロジン 23( 28) 47
パージェタ 50( 43) 99
カドサイラ 34( 10) 88
アレセンサ 31( -) 52
ゼルボラフ 2( -) 2
骨・関節領域 375(330) 759
アクテムラ 126(112) 263
エディロール 106( 87) 212
スベニール 51( 52) 108
アルファロール 21( 25) 42
ボンビバ 24( 13) 49
腎領域 214(215) 443
ミルセラ 110(108) 245
オキサロール 60( 58) 117
エポジン 29( 33) 52
移植・免疫・感染症領域 71(106) 130
セルセプト 33( 32) 64
ペガシス 13( 37) 21
コペガス 6( 17) 11
その他領域 114(130) 232
シグマート 26( 33) 47
海外 468(357) 925
アクテムラ 377(265) 757
ノイトロジン 74( 77) 140
アロキシ 1( -) 2
タミフル 67( 71) 74
うち行政備蓄等 0( 1) -
<訂正>(7月27日15:00)
製品名コペガスの表記に誤りがありました。下線部について修正いたしました。