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米Pacira社、適用外使用販促は「言論の自由」とFDA提訴

公開日時 2015/09/17 03:50

米Pacira Pharmaceuticals社は9月8日、非オピオイド性鎮痛剤Exparel(bupivacaineリポソーム注射用懸濁剤)の適応外使用の販促について米食品医薬品局(FDA)が禁止していることをめぐり、ニューヨーク南地区地裁にFDAを提訴したと発表した。同社は、真実かつ誤解を招来しないような情報を伝達する権利があると主張しており、FDAが米憲法修正第1項(言論の自由条項)に違反するとしている。


Pacira社(本社:ニュージャージー州パーシパニ)は、疼痛治療薬の研究開発に特化するバイオベンチャー企業。2011年にExparelを足の親指の内側に発症する腫瘤である腱膜瘤の切除術後および痔核切除術後の疼痛治療を適応として承認取得し、同社にとって初の製品化に至った。発売後、同剤はすべての臓器ならびに組織の術後疼痛に有効だとうたい、販促を行った結果、2014年度の売上げは1億9760万ドルに達し、売上全体の95%を占めているという。


Pacira社のDave Stack社長兼CEOは、「今回の訴訟に当たり、我々は、2011年にFDAから承認された“術後疼痛の部位に注射する”という幅広い適応を構成しているExparelについて事実かつ誤解を招かないような情報を伝達する法的権利の回復が目的としている。我々は、FDAが、この案件について協議しようという我々の度重なる依頼に応えようとしないために法的手段に訴えるほか手段がなくなった」と提訴理由を述べた。また、同社長兼CEOは、米国でオピオイドの乱用が社会問題化している現状に触れ、「Exparelは、オピオイドをベースとした疼痛管理の代替治療になりうる有効な方法だ」として、その面で患者や医療関係者に貢献できることも強調した。


米ロイター通信(9月8日付)によると、FDAは2014年、同社に対して、同剤の臨床試験は腱膜瘤切除術後および痔核切除術後の疼痛を適応として実施されたと説明。当該データを基礎に承認されたので、他の術後疼痛における販売促進は適応外になるので認められないとする内容の警告文書を発行したという。


しかし、Pacira社は、FDAに対して、軟組織モデル(痔核切除術)および硬組織モデル(腱膜瘤切除術)に対する臨床試験は、広範囲の適応を求める鎮痛剤についてのFDAガイダンスに一致しているとし、ラベルでは「術後の鎮痛のために手術部位に注射する」と記述され、手術の種類は特定していないと反論した。つまり、FDAは、同剤の適応は、あくまで腱膜瘤切除術と痔核切除術との見解を示しているのに対し、Pacira社は、軟組織と硬組織の代表としただけと考え、両者の解釈の相違が露わになったようだ。

 

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