病院経営改革のアキレス腱
公開日時 2016/01/31 00:00
ボストンコンサルティンググループシニア・パートナー&マネージング・ディレクター植草徹也前回は、バリューベース・ヘルスケアにいち早く取り組んでいる国内外医療機関の先進事例を俯瞰した。事例分析を通じて明らかになったのは、アウトカムの可視化、医療機関の分業と連携、ならびにステークホルダーの利害一致の3段階を経て、患者にとっての「医療の費用対効果」を向上させる取り組みが進化していることだ。今回は、このような取り組みを我が国で実現する上での阻害要因について考えてみたい。第1のアキレス腱:総「総合病院化」我が国では、200床以上の急性期病院の多くが、病床数の多少に関わらず総合病院を標榜している。医療圏内に1つしか急性期病院が存在しない地域であれば、中小病院であっても、総合病院として循環器内科、消...