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田辺三菱製薬 淡路 育弘 さん  (1/3)

公開日時 2016/03/31 00:00
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 受け継いだイズム “自律”精神で企業ブランドを向上

 

田辺三菱製薬
営業本部 北関東支店
栃木第一営業所 レミケードチーム
レミケード・エリアマネジャー
チームリーダー
淡路 育弘 さん

 

1999年、田辺製薬にMRとして入社。九州支店福岡営業所に配属となり7年の間、開業医を中心としたエリア担当から、基幹病院、大学病院を担当。2006年より本社プロダクトマネジャーとして、主に循環器領域製品のマーケティング、製品育成を担当。2012年よりレミケード部北関東グループのエリアマネジャーとして赴任。14年10月より領域性MRの導入に伴いレミケードチームのチームリーダーを兼務。同年、チームとして全国No.1の計画進捗率を達成する。多趣味で、マラソンやボクシング、山登りなどのスポーツに加え、ワインやシューズについても造詣が深い。カラオケでは、盛り上げ役としてのエピソードも多数という一面も。

 

 

本コーナーは、年に1回、“医療への貢献”をテーマにナンバーワンMRを決めるMR#1コンテストのファイナリストの日常のMR活動の中から、医療従事者から評価されるポイントを探ります。

 

 

「自分が評価されなくても、チーム、そして会社が評価されればいい」。取材の中で漏らしたこの言葉が淡路さんのすごさを物語っていると感じた。“地域医療への貢献”をテーマに開催されたMR#1コンテスト2015で、ナンバーワンMRの称号“MVMR”を獲得した田辺三菱製薬の淡路育弘さん。インテリジェンス賞も同時受賞した。淡路が選ばれなかったら、MR#1コンテストはダメな企画だと思った」。取材で会った多くの方がこう話すほど、周囲からの評価も高い。そこには、自分を律し、チーム、企業ブランド向上のために、ひたむきに努力する姿がある。そして、淡路さんを支える“言葉”があった。(望月 英梨)

 

 

大切にしている言葉がある。「志高く」、「先ず隗より始めよ」――。

 

いずれも、中田繁樹さん(現・執行役員営業本部副本部長)から送られた言葉だ。リーダーに昇進したとき、松下電気(現・パナソニック)を一代で築いた松下幸之助氏の著書「道をひらく」を受け取った。裏表紙には、中田さんのサインがあった。「志高く」――。そこにはこう書かれていた。いまでは、「棺桶に一緒に入るのかなと思う」と語るほど大切にしている。

 

初めて開いた本の内容にも共感するところも多くあった。印象に残ったのが、「プロとは、その道をわが職業としている専門家のことである。職業専門家とは、つまりその道において、一人前に飯が食えるということである。言いかえれば、いかなる職業であれ、その道において他人様からお金をいただくということは、すでにプロになったということである。アマチュアではない」という言葉だ。

 

会社員であっても、“プロ”であるためには、「日々スキルをあげるために努力をしなくてはいけない。甘えはいけない」と淡路さん。こうした想いは普段の行動にも端緒にあらわれている。「仕事上で嫌いな人はいない」と語る姿勢にも一切の妥協がない。

 

「話を聞いてもらえるのが非常にありがたい」(齋藤晋平さん)、「必ず目線を合わせて話を聞いてくれる。相談内容も決して否定しない」(中江直樹さん)など、部下をはじめ、多くのひとが淡路さんの長所にあげた“傾聴能力”にそれは見てとれる。例えば、部下が何らかの失敗をしたとき。「腹立ててしまえば、その時点で冷静な分析はしづらくなる。何か事情があったのではないか。その理由を分析したい」と自身の姿勢にも気を配る。「せっかく現場に来たのだから、MRの声を最大限聞きたい。聞いた上で判断し、一緒に良いものにしたい。話を聞けず、情報が入ってこなくなったらそれで終わりだ」との想いからだ。そのためには、相手を尊重するとともに、話しやすく、相談しやすくしてもらうための努力は怠らない。「どんなことを言っても相手を否定しない。壁を作られてしまったら孤立して終わってしまう」と強調する。

 

 

洞察力と企画力強みに
アンメットを発掘

 

自身の活動についても、「学術的な製品知識は、必要最低限のものだと思っている。誰もが持っていなければならない」と話す。その上で、“プラスアルファ”の素地をもつことが重要だと強調する。

 

プラスアルファの淡路さんの強み、それが洞察力、分析力だ。栃木県内で、乾癬をテーマとした市民公開講座を実施した。講演会後には、患者が医師に直接質問できる相談コーナーも設けた。大学病院の専門医ではなく、乾癬を診察する頻度の高い開業医が相談にのる。患者への疾患啓発だけでなく、医師に気づきを与えるチャンスにもなると考えた。

 

淡路さんが栃木県内全域を回る中で、「患者は乾癬の治療をどこで受けられるのか、またどういう治療法があるのか知らない。開業医も専門医へ紹介の必要性を感じていないのではないか」と感じたためだ。企画を通じた疾患啓発の積み重ねが実り、現在では生物学的製剤の投与を見据えた専門施設への紹介患者も増加傾向にあるという。

 

市民公開講座の実施で自身にも気づきがあった。重篤な症状を抱え、医師に不安を吐露する患者の姿に、「まだやらなければいけないことがある」と感じた。こうした想いが自身の使命感、MRの存在意義を認識する場でもあると語る。

 

 

仮説を重視

 

淡路さんがチームリーダーを務める北関東支店栃木第一営業所レミケードチーム。
淡路さん(中)、吉井亮祐さん(左)、齋藤晋平さん(右)

 

もうひとつ、淡路さんを支える言葉がある。京セラ・名誉会長の稲盛和夫氏の「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」という言葉だ。これも、実は中田さんから送られた言葉だ。

 

“考え方”の確度を高めるために、仮説を用いて検証することも日々実践する。例えば面談についても「たとえ1回でも、目的がない面談があるのは危ない」と話す。準備には、余念がない。ただ、対策を考えるのではなく、“仮説”を立てた上で対策を考えることの重要性を強調する。処方が伸びない施設であれば、「宣伝量を増加させる前に、なぜ使われないのか、課題に落とし込むことが重要」と話す。

 

こうしたことを考えるのは、ひとりで車を運転する時間。「運転している時間、ずっと仕事のことを考えている」とストイックな姿勢を貫く。こうして考えぬいた仮説をチーム員にぶつけ、さらに研ぎ澄ました形に、そして新たな企画が生まれる。

 

こうした日々の活動の根底にあるのは、中田さんの言葉だ。言葉で人を育て、そして動かす。いわば、“企業カルチャー”の伝承者でもある。

 

「人財育成に携わりたい」と語る淡路さん。その先には受け継いだイズムの実践。さらには進化とともに、後輩に“淡路イズム”を伝承する道を描いている。

 

影響を与えた上司、担当施設医師から

現在MR活動を行う支店、営業所から、後輩MRから

 

所属・肩書は取材時点のものです

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