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ノバルティス イラリス皮下注で「家族性地中海熱」などの効能追加を申請

公開日時 2016/04/26 03:50

ノバルティスファーマは4月25日、ヒト型抗ヒトIL-1βモノクローナル抗体のイラリス皮下注用150mg(一般名:カナキヌマブ(遺伝子組換え)について、▽家族性地中海熱(以下、FMF)▽TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)▽メバロン酸キナーゼ欠損症/高IgD症候群(MKD/HIDS)――の効能追加申請を同日に行ったと発表した。国内患者数はFMFが約300人、TRAPSが10~30人程度、MKD/HIDSが4家系6人と報告されている。この希少な遺伝性自己炎症疾患のグループには、クリオピリン関連周期性発熱症候群(CAPS)も含まれ、イラリスはCAPSの適応症を11年9月に取得している。

これら疾患では、炎症性サイトカインのインターロイキン(IL)-1βの過剰産生を原因に、慢性的な炎症反応や進行性の組織障害を引き起こす。日常生活に支障をきたすほどの高熱を伴う全身性炎症発作を繰り返す。炎症性サイトカインの標的となる臓器に漿膜炎、好中球性皮疹、粘膜潰瘍、関節痛・関節炎、無菌性髄膜炎・頭痛など特有の症状と兆候が伴う。同剤は、IL-1βと特異的に結合することで、炎症を抑える。

FMFは現在、発作時の有効な治療がない。発作予防のためにコルヒチンの長期継続投与が行われ、約2/3の症例で発作を完全に抑制し、約1/3で頻度の減少がみられるが、約5%は無効とされる。TRAPS、MKD/HIDSでは発作を予防することができない。このため同社は、「これらの疾患に対して再発性の発熱を伴う全身性炎症を良好にコントロールでき、長期に安全に使用できる治療法の確立が望まれている」としている。

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