狙われるメディケア
公開日時 2016/06/30 00:00
メディカル・ジャーナリスト西村由美子メディケアが複雑でわかりにくいことは先月号でも紹介した。強制加入の病院保険(パートA:保険料は公費負担)と医師保険(パート:保険料は一部自己負担)から任意加入の処方医薬品保険、さらに補足保険(メディケアがカバーしない医療費のために保険)まで、仕組みが複雑なら、ともなって保険請求の手続きも煩雑だ。そして、実は、米国では、ここにつけ込む保険金詐欺や過剰・架空請求事件が後を絶たない。被害総額$375Mメディケアへの歳出は2014年度実績で$505B。連邦歳出総額の14%だ。歳出の規模は今後も伸び続け、2020年には$688Bに、2024年には$866Bになると予測されている。この「巨大なドル箱」を狙う犯罪が絶えない。メディケアをめぐる直近の大規模な犯罪は、201...