第一三共 アムジェン開発の9つのバイオシミラー 国内販売権を取得
公開日時 2016/07/15 03:52
第一三共とアムジェンは7月14日、 アムジェンが持つ9種類のバイオシミラー(バイオ後続品)について、日本での商業化に関する契約を締結したと発表した。9種類の中には、リウマチなどの適応を持つアダリムマブ(先発品名:ヒュミラ)、抗がん剤ベバシズマブ(アバスチン)、抗がん剤トラスツズマブ(ハーセプチン)――があり、いずれも開発後期にあるとしている。
契約に基づき、9つのバイオシミラーは日本で、アムジェンが開発・製造し、第一三共が承認申請、流通・販売を担当する。アムジェンは共同販促の権利を持つ。
アムジェン広報によると、残り6種類の中には、抗がん剤リツキシマブ(リツキサン)、リウマチなどの適応を持つインフリキシマブ(レミケード)、抗がん剤セツキシマブ(アービタックス)――のバイオシミラーがあり、これら以外の残り3種類は非公開としている。開発ステージは日本を含むかどうかは定かではないが、多くの国でリツキシマブが開発後期にあり、インフリキシマブとセツキシマブは開発前期にある。
第一三共はバイオ医薬品の取り組みを強化しており、今回のバイオシミラーのラインナップ拡充もその一環となる。アムジェンにとっては、第一三共が持つ強固な販売基盤とブランド力を活用できることは「魅力的な機会」であり、アムジェンの開発力・ノウハウと第一三共の強力な営業力が融合することで、「日本の多くの患者に高品質なバイオ後続品を確実に提供する」ことにつながるとしている。
なお、第一三共は、国内開発中のリウマチなどの適応を持つエタネルセプト(エンブレル)のバイオシミラーを16年度中に申請することを計画している。今回契約した9種類を含むバイオシミラーの情報提供・収集活動は、後発医薬品を扱う第一三共エスファではなく、第一三共本体が行う。