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米ファイザー社のMedivation社買収価格が高すぎる:アナリストが指摘

公開日時 2016/08/26 03:50

米ファイザー社は8月22日、米バイオベンチャーのMedivation社を買収することに合意したと発表したが、米医薬専門誌「Fierce Pharma」8月21日付けによると、米アナリストらは、総額140億ドルは高すぎ、それだけの価値があるかと疑問符を投げかけ、すでに市販されている抗がん剤Xtandi(エンザルタミド)に加え、開発中パイプライン中の製品の成功次第だとの見方をしているようだ。

ファイザー社は、Medivation社の8月19日の終値より30%高い1株当たり81.50ドルで買収を提案、Medivation社と合意した。

同社のIan Read CEOは、昨年、租税回避が大きな狙いと話題になったアイルランドAllergan社の買収を断念後も持続的成長を目指し、買収戦略を続けるとの考えを示していたが、今回は、過去1年間においてグローバルで売上22億ドルをマーク、好調なXtandiとその他現在パイプラインにある製品候補に的を絞り、具体的な買収に動いたようだ。

Read CEOは、「Medivation社の買収は直ちに売上成長を加速し、収益全体を牽引することが期待される」と述べたうえで、薬効領域で腫瘍分野が強化できるとの期待感を示した。さらに、「今回の買収が、我々が如何に我々の資金を魅力あるリターンを生み出し、株主価値を創造するために展開しているかの好例である」と話した。

Xtandiは、Medivation社が創製、同社は2009年にアステラス製薬とライセンス契約、共同で世界における開発・商業化を進めている。日本国内ではアステラスが独占的販売権を持っている。現在、去勢抵抗性前立腺がんの適応で販売されているが、非転移性前立腺がん、ホルモン感受性前立腺がん、進行乳がんおよび肝細胞がんを適応として臨床試験が実施されている。

同剤以外では、BRCA遺伝子変異乳がんを適応としたPARP(poly(ADP-ribose)polymerase)阻害剤talazoparib及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫など血液がんを適応とした免疫がん治療薬pidilizumabなどがある。Pfizerは、これらにより自社製品との相乗効果を狙っている。

しかし、投資銀行Leerink PartnersのアナリストGeoffrey Porges氏は、米バイオベンチャーTesaro社が6月29日にPARP阻害剤niraparibが卵巣がんを適応とするもののフェーズIII試験での好成績を発表していることを考慮、「1株当たりの買収価格は最低で60ドル半ば、最高で70ドル半ばが適切だ」と見積った。また、カナダ投資銀行RBC Capital MarketsのアナリストSimos Simeonedis氏は、最近の投資家向け報告書で、「Medivation社が生み出せる1株当たり買収価格は65ドルから75ドルと見ている」と記している。

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