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日本肺癌学会 がん免疫療法薬キイトルーダ、PD-1強陽性進行非小細胞肺がん一次治療適応の早期承認を

公開日時 2016/10/26 03:51

日本肺癌学会は10月25日、がん免疫療法薬の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(一般名、製品名キイトルーダ)のPD-1強陽性進行非小細胞肺がんの一次治療適応の早期承認を求める要望書を、塩崎恭久厚労相に提出したと同学会ホームページ上で明らかにした。提出は同日付。要望書では、日本人40例を含む国際共同フェーズ3試験「KEYNOTE-024試験」の結果を受けて、「その一次治療において現在の標準治療を大幅に上回る治療成績が得られたことはまさに画期的」とし、「肺がん診療に携わる者としては一刻も早くこの薬剤を日本の肺がん患者さんに提供したいと強く希望する」としている。

要望書は日本肺がん患者連絡会との連名で提出した。同連絡会は▽北海道肺がん患者と家族の会▽秋田肺がんネットワーク「あけびの会」▽特定非営利活動法人肺がん患者の会ワンステップ▽マスカットクラブ▽三重 肺がん患者の会▽神戸肺がん患者会 肺ゆう会――で構成する。

■コンパニオン診断キットも同様に早期承認を

KEYNOTE-024試験の結果は10月7日~11日にデンマークのコペンハーゲンで開催された欧州臨床腫瘍学会で発表された。同試験は進行非小細胞肺がん患者(EGFR/ALK陽性患者を除く)の一次治療を対象としたもので、PD-L1強陽性の患者305例(日本人40例含む)においてペムブロリズマブ単剤とプラチナ併用療法で比較検討した。

その結果、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)中央値はプラチナ併用療法群6.0か月に対してペムブロリズマブ群が10.3か月と有意な延長を確認。ハザード比は0.50(95%信頼区間0.37-0.68、P<0.001)だった。副次的評価項目の全生存期間(OS)でもハザード比は0.60(95%信頼区間0.41-0.89、P<0.0050)と有意な延長が認められ、要望書ではこの副次的評価項目の結果を「特筆すべき」ことと指摘している。

そして、「プラチナ併用療法群の患者も病勢進行後にはペムブロリズマブの使用が許容されており、それでもOS延長効果が認められたということは、早期にペムブロリズマブ治療を開始することの重要性を示唆する」としている。さらに、この試験結果を受けて世界的に用いられている肺がんの診療ガイドライン「NCCNガイドラインversion1.2017」(16年10月14日発行)で早くもPD-L1強陽性、EGFR/ALK陰性非小細胞肺がんの一次治療でペムブロリズマブだけがカテゴリー1として推奨されていることも紹介しながら、学術的見地並びに人道的見地から早期承認を強く求めた。

また、「適切な患者選択のため、PD-L1のコンパニオン診断キットであるDAKO社の22C3抗体についても同様に早期承認をお願いする」とも求めた。先行類薬のニボルマブ(製品名オプジーボ)の使用経験から従来の抗がん剤では経験しない免疫関連の重篤な副作用を起こすことも「医療現場では浸透してきている」とし、「ペムブロリズマブ一次治療への承認の暁には、より一層の注意喚起をしていく所存」とも記載した。

ペムブロリズマブは日本で悪性黒色腫の適応で9月に承認され、現在、薬価収載の手続き中。また、2月には二次治療以降のPD-L1陽性非小細胞肺がん患者に対して標準治療ドセタキセルに対する優越性を示したKEYNOTE-010試験データをもとに承認申請され、こちらは現在審査中となっている。

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