日本医薬品卸業連合会（卸連）は12月２日、11月25日に開催された経済財政諮問会議で薬価の毎年改定の議論が行われたことに対し「毎年改定することについては断固反対する」との見解を発表した。

毎年改定となれば、薬価の引き下げを抑えるため高仕切価が設定される一方で、現行の薬価差率を要求されることが予想され、「極めて厳しい価格交渉が行われることが見込まれる」とし、新薬価に基づく９月までの短期間の価格交渉になるため「単品単価取引が後退するなど、流通改善に逆行する」と訴えた。

また、薬価改定前の現行薬価製品の買い控えと返品が顕在化し「患者に必要な医薬品の欠品の発生が見込まれる」と指摘、「これを避けるため、毎年、卸の緊急配送が増加し、卸に多大な負担がかかる」と懸念を表明した。さらに、価格交渉に要する労力が倍増し、ＭＳの情報収集・提供等、価格交渉以外の「通常業務に支障」をきたすうえ、「災害時やパンデミック時における安定供給に支障が生じる」としている。