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東薬工・内藤会長 薬価制度改革「価値に基づく薬価」が焦点 塩崎厚労相「とても大事な議題」

公開日時 2017/01/10 03:52

東京医薬品工業協会などによる恒例の薬業四団体新年賀詞交歓会が1月6日、業界ほか行政の関係者など約820人の参加を得て、東京都内のザ・プリンスパークタワーで開かれた。主催者を代表して挨拶に立った東薬工の内藤晴夫会長(エーザイCEO、写真左)は、2017年中に結論を得ることになった薬価制度の抜本改革に触れ、疾病の治癒や病勢の進行を抑える高額な薬剤の登場を踏まえ、「そのような『優秀薬剤』の価格をいかにして決めていったらよいか、ただ今大いに議論されている最大のポイントであろう」と指摘。そして、「薬剤の持つ価値についてどのように評価し、定めていくか」を焦点のひとつに挙げた。価格設定にあたっては、持続的な供給と患者のアクセスの確保への配慮が必要だとした。来賓として出席した塩崎恭久厚生労働大臣(写真右下)は、指摘に応える形で、臨床的に高い有用性を持つ高額な薬剤の評価のあり方は「とても大事な議題」との認識を示し、「しっかり取り組んでいかなければならない」と応じた。

内藤会長は、最近登場したC型肝炎治療薬を例に、治癒により患者数が減少していくことで「売上のピークは短期のうちに訪れ、そのライフサイクルは非常に短くなる。このようなパターンを取る極めて高い価値を患者様にもたらす薬剤の価格のあり方をどのように考えていくのか」と指摘。高額化する抗がん剤にも触れ、「優れた薬剤が登場し、あるいは、そのコンビネーションによって一部のがん治療に大きな光明が見えるところまできている。従来であればエンドオブライフというステージに至る方々が、再び高い生活の質を保ち現場に復帰できる。このような価値をどのように評価するか」と述べ、問題提起した。

薬価制度の抜本改革にあたっては、価値に基づく評価と価格設定を行い、持続的な供給と患者のアクセスを阻害せず、制度として「安定性と予見性を保った」仕組みにすべきだと訴えた。そして、「議論においては、我々産業界も患者様と共に一定の参画を果たしていきたいと強く願うところ」と話した。

塩崎厚労相 皆保険の持続性、イノベーションの推進等4原則に沿って改革

塩崎厚労相は、高額だが臨床的に高い有用性を持つ薬剤の「評価をどのようにするかはとても大事な議題」とした上で、「何をコストと考え、何をベネフィットと考えるのか、きっちり詰めていかなければならない。まだ道途上だと思っている」との認識を示し、HTAの結果に対する評価のあり方を含め議論していく姿勢を示した。

内藤会長が「安定性と予見性を保った制度構築」を求めたことに対しては、「かなり牽制されているな」と述べつつ、「(制度が)急にころころ変わるのはよくない」とした。その上で、年内に詰める薬価制度改革では、16年12月に取りまとめた「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」にある▽国民皆保険の持続性▽イノベーションの推進▽国民負担の軽減▽医療の質の向上――の4原則に沿って改革を行っていくとの考えを改めて示した。

塩崎厚労相 「データヘルス元年」に 2020年度本格稼働向け「大車輪」 省内に本部組織

また塩崎厚労相は、2017年を「データヘルス元年とも言うべき年にする」と表明した。2020年度の本格稼働に向け「大車輪で制度、インフラの見直しを行っていく」と述べ、省内に本部組織を立ち上げ、取り組みを加速させる方針を明らかにした。健診の予防段階から医療、介護まで、どのような状態にあり、どのようなサービスを受けているのかなど「トータルとして見るシステムを作っていかなければならない」との考えを述べた。

塩崎厚労相は、「出来上がったものは、メーカーの皆さん方、流通の皆さん方、研究者の皆さん方などが利用可能なオープンなものにしなければならない」とし、議論もオープンで行い、構築を進める意向を示した。

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